●灼のうんちく
『更級日記』にある、たけしば。
「今は武蔵の国となりぬ。ことにをかしき所も見えず。……葦・荻のみ高く生ひて馬に乗りて弓もたる末見えぬまで高く生い茂りて、中を分け行くに、たけしばという寺あり……」
さすが、『夜の寝覚』や『浜松中納言物語』の作者だわね。牛車の窓から見える武者の姿を、さらりと描写するところはとても良いわ。
この後、『孝標女』は「どういうとこなの?」と訊くわ。答えた人があたし的には『お父さん』である孝標だと面白んだけど、所謂武芝伝説が『更級日記』には詳細に書かれてる。
『孝標女』も菅原家と所縁があるということで、鮮明に覚えていたのかしらね。