こんにちは。
この度、改名することにいたしました。
今までは「見春」名義で活動していましたが、「一ノ宮ひだ」という名義にて作品投稿を行います。
「見春」は私自身の名前をアレンジメントしたものでしたが、「一ノ宮ひだ」は岐阜県高山市の一之宮町(及び駅名)が由来となっています。
以下は、その由来となったストーリーです。
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昔昔あるところに、人生全てに嫌気がさしていた少女がいました。視界に入るもの、鼓膜に入るもの、その全てに嫌気が差し、どこかへ逃げたいと感じていた彼女は、列車に乗り込んで旅に出てました。列車は走り出すも、ただ暗闇の流れる車内からは何も見えません。退屈な風景を暫く眺めた後、彼女は静かな眠りに落ちました。
それはただ深く、何も考えられないような、夢のない眠りでした。
小一時間が経ってふと目を開けると、列車はとある山奥の駅に着いていました。その駅の名は飛騨一ノ宮駅。ホームに降り立ち、空を見上げると、そこには分厚い雲と空の境界に紛れて、微かな星が顔を覗かせていました。
山奥の無人駅で一人きり。白い息を吐いて、また瞼を閉じます。
なぜだか分からないけど、救われた気がしたのでしょう。
駅舎の薄暗い明かりとイヤホンの音、生温くなった缶コーヒー、首元のタータンチェックのマフラーを頼りに、彼女は誰もいない一夜を過ごすのでした。