こんばんは。見春と申します。
この度、Pixivにて百合文芸コンテスト応募用の新作を公開しました。
「さよならの言い方を教えて」
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=22995019《あらすじ》
「ーーだってこの夏、世界は終わるから」
それが、あの子の口癖だった。
1999年、世紀末の不安が世界を覆い尽くしていたその夏の片隅で、私と彼女は確かに生きていた。
「世界が終わる」ーー消えない呪文のように彼女が言い続けたその言葉は、今でも胸の奥で静かに響き続けている。
「じゃあ、こうしよう。この世のどこかに、この世界の運命を握る人がいて、その人が『さよなら』って言うんだよ」
そう言って彼女は、赤く染まった満月の下で、渋谷宇田川町の隅っこに佇みながらふと笑った。月明かりに照らされた彼女の笑顔は、どこか現実から離れた遠いところにいるようだった。
忘れかけていたその言葉を、ずっと奥に押し込んでいた感情を、綺麗なあの子の笑顔を、目が覚めるように呼び起こしてくれたのは、薄明かりの下で歌い合った、遠く彼方の青い森で生まれたか弱いセレナーデだった。
あのとき、私たちは確かに薄ら笑いを浮かべて信じていた。世界はすぐに終わるだろうと。けれど、地球は今でも忙しなく周り続け、ふと後ろを振り向くと25年もの月日が経っていた。
私は今でも追い続けている。すべてが永遠に続くか、あるいは本当に世界が終わるのではないかと感じさせる、彼女と過ごしたあの一瞬の思い出を。
《目次》
1. 「あと一秒で世界が終わるなら」
2. 「悲しさばかりだったあの子のプレイリスト」
3. 「エッグタルトに乗って、キャラメルマキアートまで目指そう」
4. 「地球を救うのは愛なんかじゃなくて」
5. 「つまらないことで悩めるのはつまらない私が好きだからさ」
6. 「頭の中に残ったたった一つの思い出」
の、全6話構成です。
大体9月の終わりくらいには完成する予定です。
必ず良い作品が出来ると確信していますので、完成まで全神経を捧げて、全力で書きたいと思います。何卒応援よろしくお願いします。
なお、本当に申し訳ないのですが、完成まで、「リラの蕾〜」はお休みさせていただこうと思います。
それでは。