こちらの写真、実が黄味がかっているのがお分かりだろうか。
これはスリップスという害虫にやられたいちごで規格品としてはほとんど販売していない。見た目が悪くほとんどの消費者が手を伸ばさないからだ。だがじつはスリップスにやられたいちごは食べても問題ないうえに固くて甘い。
この時期になるとコンテナの三分の一くらいはスリップスということもざらでその度に規格外の加工用として大容量で販売するのだが、パック詰めする側としては邪魔になり非常にやりにくい。出来るだけ高値で取引される規格品を作りたいからだ。
今日もスリップスばかりのコンテナに当たってしまった。困り果てたわたしは出来るだけこっそ〜りスリップスを規格品としてパック詰めする。
「うん、出来た!」
「スリップスばっかりやね」
間髪入れず先輩のつっこみが入る。やめとけということだ。
困ったわたしは一応売り物になる規格外の加工用にスリップスを放り込む。勿体無いもんね、ぜーんぶ入れてやったし。
「これは捨てろうやー笑」
わたしの入れたスリップスは先輩に回収されてゴミ箱行きとなった。どんだけ酷いの詰めてたんだ!! ええ、もちろん加工用として販売する気でしたよ。
職場の人にも大体いわれる。
「奥森さん結構攻めるね」
「大胆やねん」
……パック詰めにも性格って出るようです。