ハウスの屋根を打つ雨音を聴いていた。毎日7時45分から収穫で左手に青いコンテナを抱えて右手でイチゴをもいでいる。
自然のBGMに浸りながら考えているのは執筆中の作品のこととか明日に迫ったオーバーラップ大賞の一次発表のこととかまあ色々。みんな黙々と採っているけれど、大抵別のことを考えていて先輩パートは晩御飯のことを考えているそうだ。
収穫量は日によってだいぶ違うけれど、今日は10時までしかかからなくて少ないほうだった。これなら3時には帰れるとニンマリする。
12月から働き始めて今日で2か月と少し。わたしはずっと1番の新人だったのだけれど最近後輩ができた。そして新人率が50%を超える職場では新人が新人を見るという異常事態が発生する。
「奥森さん、ちゃんと見てあげてくださいね」
いやいやいやいやいやいや!!
「Sさん(👈この人も新人)Mさん(👈この人もかなりの新人)と組んでな」
……うん、そうなるよね。何せ先輩パートさん3人も辞めちゃったから。
「みんな自然とベテランになってくねん」
もう1度いっておきますが入って2か月です。まだ早いがな。
しかしなんだかんだで今シーズンに入って全員で4万パック詰めてるそうなので1人頭3千〜4千パックは詰めてる計算だ。そりゃベテランにもなるわな。頑張った、うん、頑張った。
辞めてしまった人のことは少し考える。夏を頑張ってきた人たちがイチゴのシーズンで辞めてしまった。パック詰めのプレッシャーだ。
そんなものと思う人たちもいるだろう。だが、パック詰めのプレッシャーは半端ない。間違ったサイズなど詰めると即座に晒しものになるからだ。
「これ詰めたの誰ーー?」
恐ろしい。
まあ、色々慣れてしまったがこんな感じでやっている。
今日は楽だった。早い時間に帰れるというのはやはり嬉しい。経営者もいちごが少ないと喜んどったがな。いいんかい。
帰ったらアワビの出汁でお鍋。美味しかった、バンザイ🙌