平安ファンタジー小説「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕え或ハ近衛大将ノ大詐術」の「八十六 翠令、承明門で待つ(三)」を投稿しました!
https://kakuyomu.jp/works/16816927860647624393/episodes/16816927861343548880今回、絶体絶命のところで、白狼が颯爽と馬で駆けつけます。
本文から引用しますと。
「──もはやこれまで……。
翠令の膝が崩れ落ちそうになったとき。ゴトンと金属が石畳に落ちる音がした。
──何だ?
続けて、木の扉がばりばりと蹴り破られる音が轟く。
白狼に馬の前足でけられているうちに、承明《しょうめい》門の閂《かんぬき》を止めていた金具が落ち、扉が開いたものらしい。」
↑ここです。
門の「閂」とその「止めていた金具」。
この参考に、京都御所の日華門の写真をこの近況ノートに掲載しておきます。
現在の京都御所は、平安時代の内裏がそのまま残っているわけではありませんが。
建礼門、承明門、紫宸殿、清涼殿などはあります。
私は2021年秋と2022年春の特別見学に行きました。
紫宸殿前の広場には、日華門を通って入ります。
承明門は開け放たれており、しかも間近に近づくことが出来ません。
しかし、日華門は普通に「通用門」的な感じで自由に行き来できるのです。
ちょうど「錦濤宮物語」のクライマックスシーンで、白狼にどういう経緯で紫宸殿前の姫君のもとに駆け付けさせるか頭を悩ませておりましたので。
この日華門の留め具を見て「これだ」と。
そう簡単に紫宸殿前の門の扉は蹴破れなくても、ドカドカと振動を与えていれば、この留め具が外れることなら起こり得るんじゃないかと思いつきましたw
白狼が、馬が上手くて、なおかつ筋骨隆々の逞しい体で、馬で走りながら地面の手下を掬い上げる膂力がある──という設定はたびたび本文中に書いております。ええ、伏線だったんですよw
姫君も死力を尽くしましたし、翠令も難しい局面で弓矢の練習の成果を見せました。この場にはいませんが、佳卓の計画があっての脱出劇です。
最後は白狼の元手下達が上手くやってくれましたし、昭陽舎の女房達も翠令を助けます。
皆が手を携えて、事態を解決することになりました。
長い長いお話でしたが、ここで一区切りです。
ここまでお読み下さり本当にありがとうございます!
あと3話。翠令が錦濤の姫宮にお会いする場面、翠令と姫宮が、竹の宮の姫君を連れた白狼と会う場面、そして翠令が佳卓に再会する場面です!
どうか最後までご愛読賜りますよう。