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京都御所のリアル清涼殿です!―「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕え或ハ近衛大将ノ大詐術」の「八十二」を投稿しました!

平安ファンタジー小説「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕え或ハ近衛大将ノ大詐術」の「八十二 帝、深夜にお目覚めになる(一)」を投稿しました!
https://kakuyomu.jp/works/16816927860647624393/episodes/16816927861313347150


御所の中心に紫宸殿がありますが、帝が日常を過ごすのはその東北にある清涼殿です。

現代の京都御所も紫宸殿と清涼殿があり、見学コースの目玉です。

私はこの「錦濤宮物語」を書くようになってから、2021年秋と2022年春の特別公開に行ってきました。

私が若い頃は、御所はこの2つの時期以外は非公開だったのですが、近年は通年見学可能です。ただ、やっぱり「特別公開です!」とアナウンスされないとなかなか行こうと思い立たないものですw

2021年の秋には清涼殿は改修中で地面から外観が見られるだけでした。しかし、2022年春にはそれも終わったというのでとても期待して行きました。

この「期待」というのが……。
今手元に当時の案内図がありますが、「大規模な改修が完了した清涼殿を二年半ぶりに公開」とあります。
事前に調べた時にもそのような文言が広報されていたはずです。

2022年秋に改修中の清涼殿の外側を地面から見ただけだった私は、このアナウンスの文言から「改修が終わって中が見られる」→「じゃあ、ひょっとしたら室内にも入れたりする?」と勝手に期待を膨らませ、そして「もし清涼殿に上がれたら、”殿上人”になれるやん!」と盛大に勘違いしてしまったのです。

学生時代の友人にもこう言って声を掛けて一緒にお出かけしたのですが……。
もちろん、一般の見学客が殿上人になれるわけなどありませんw
外の地面の上の参観ルートから、内部を見ることができるだけです。その友人には申し訳ないことしました……。

とはいえ、現代にならなければ、一般の民衆が見ることなどとてもできなかった場所です。有難く見学させていただきましたよ。

建物と東庭との間は格子も御簾もありませんでしたから、屋内も見られます。
拙作で帝がお休みになられている御帳台(天蓋付きのベッドのようなもの)も見られました!
この記事に写真を掲載しておきますね。

あと、清少納言が枕草子で触れていた、清涼殿の北の障子(今でいうところの襖)の「手長足長」の絵も見られました。
これは「荒海の障子」と呼ばれるものです。そこに描かれた「手長足長」とは……。

”荒海に手の長い人物と足の長い人物が画面の両側にいて、手の長い者は海中に手を突っ込んでいる有様を墨絵で描く。これは『山海経』に長股国(足長の国)と長臂国(手長の国)という国があり、手長の国の者はいつも足長の国の者に背負われ、それで海に入って魚を捕らえるという記述に基づく。裏には宇治川の網代で魚をとる景色を描く。『古今著聞集』によれば、この障子は一条天皇の代以前から清涼殿にあったという。(Wikipedia「荒海障子」)”

見学ルートからちょっと距離がありましたので肉眼では見づらかったのですが、カメラの拡大機能を使って見ることができました。

他にも清涼殿の前には竹が植わっているとか、平安時代の史資料と同じ物が見られて私としては大変満足致しましたw

京都御所の参観案内は宮内庁のウェブサイトにあります。
コロナ対策を考えると、特別公開で人が集まるよりも、こうして通常の参観を利用した方がいいかもしれませんね。
まあ、早くコロナが、せめて第七波がおさまってくれればいいのですが……。

「宮内庁」参観ご希望の方へhttps://sankan.kunaicho.go.jp/multilingual/information.html

今回は帝が物語の語り手となりました。
クライマックスシーンがいよいよやってきます。

あと残り少しですが(「八十九」で完結です)、どうか最後までご愛読たまわりますよう。

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