平安ファンタジー小説「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕え或ハ近衛大将ノ大詐術」の「五十 翠令、佳卓から竹の宮の話を聞く」を投稿しました!
https://kakuyomu.jp/works/16816927860647624393/episodes/16816927861103890046今回、翠令は佳卓から文で「日が暮れたら建春門そばの左衛門の陣に来るように」と呼び出されます。
平安時代、中央の軍事組織は、左右近衛府、左右衛門府、左右兵衛府の六衛府です。その他に検非違使などもいます。
拙作で登場するのは左右近衛府と衛門府です。それぞれ、佳卓、趙元、朗風が長官を務めていることになっています。
近衛府が「内裏の内郭(宣陽門・承明門・陰明門・玄輝門の内側)を警衛」するのに対し、衛門府はその外側を警備します。
Wikipedia「近衛府」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BF%91%E8%A1%9B%E5%BA%9CWikipedia「衛門府」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A1%9B%E9%96%80%E5%BA%9C平安時代の衛門府についてwikiから引用します。
”大内裏の外郭のうち、建春門・建礼門・宜秋門・朔平門より外側で陽明門・殷富門・朱雀門・偉鑒門より内側を警備することが職掌だったが、後代にはこれが検非違使庁によって奪われた。検非違使庁も当初は衛門府内に置かれ、衛門府の官人が検非違使を兼務していたためである。左衛門の陣所は建春門に、右衛門の陣所は宜秋門にそれぞれあった。”
拙作の今回の話では建春門のそばにあり、朗風の管轄している左衛門陣所に翠令が呼ばれているということです。
建春門は内裏の東端にある門で、後宮の七殿五舎の中で東南の角にある昭陽舎とも位置が近いです。
今後の展開をこっそり申し上げますと……。
この左衛門の陣所の朗風のもとに白狼が配属されもしますし、白狼と翠令と朗風とが顔を揃える場面もあります。
終盤には、衛門督の朗風が建礼門(承明門の外側)の警備の権限を持っていることで、翠令と白狼が承明門の外側まで辿り着けることになっています。
で、どうなるか……。
それがクライマックスシーンです。どうか最後までご愛読くださいますよう。
今回の写真は笹山晴生さんの「古代国家と軍隊」という本です。
資料集めを始めて、わりと早い段階で購入しました。
当時の私はこれを読みこなせるほど知識がなく、ざっと目を通しただけなのですが。
色んな資料にあたってみても、古代の軍事制度(衛門府や近衛府ですね)に関する記述にはこの本が参考文献として挙がっていることが多かったです。基本文献なんですね。
私は今後中華後宮モノを書く予定なのですが、和風ファンタジーを書く人にとっては武人キャラを登場させるのにとても参考になる書籍だと思います。
私もまた和モノを書くときには再読しますとも! 購入して手元に置くことにして良かったと思っています。
なお。
この本を読み終えたことをツイートしましたら。
なんと! 笹山先生の弟さんから「いいね!」を頂きました(スミマセン、この記事を投稿した時点では「ご子息」と書いていましたが、私の勘違いでした。笹山晴生さんが政治家のご子息でもあるので、そこらへんがごっちゃになってしまったようです)。
政治家でいらっしゃるそうです。
この弟さん限らず、当時もっとも「いいね!」がたくさんつきまして、Twitterを始めたばかりだった私はかなり驚いた記憶があります。