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猥談好きの男のモデルは(たぶん)女性―「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕え或ハ近衛大将ノ大詐術」の「三十五」を投稿しました!

平安ファンタジー小説「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕え或ハ近衛大将ノ大詐術」の「三十五 白狼、同行者に辟易する」を投稿しました!

https://kakuyomu.jp/works/16816927860647624393/episodes/16816927860891268665

この回から登場するやたらエロが好きな男性キャラ。似たような振る舞いをする人って、わりとネットで見かけるのではないでしょうか。

私だって、R18を読んだことがないという聖人君子ではもちろんありません。
成人した人間同士の合意の上で愛あるエロなら、気分によっては読みたいときもありますよ、そりゃ私も。

ただ、私は、女性が痛めつけられているような作品とか、著しくアブノーマルなのはちょっと無理……。
R18以外にも、マイナス検索ができるとか一目で判別できるとかするタグが欲しい所ですね。

しかしながら私がどう思おうが、そんな話が生産されてしまうのも事実。

社会全体についてなら、ヤマシタトモコさんが漫画にされていますね。
女性を痛めつけることで男性たちに共犯者めいた連帯が形成されるという側面。
ヤマシタトモコさんの「違国日記」で、男性キャラが「そんな男社会から降りたい」と零す場面があります。

この「違国日記」に出てくるこの男性キャラに限らず、男性でも女性でも、女性が痛めつけられるエロを不快に感じる人間も結構いると思うんですけど。
エロを書く人の「だってみんな好きだろう? だから仲間だよな?」という声ばかりではなく、ちゃんと「あんなの嫌だ」と言う声も拾って欲しいですね。

この問題が根深いのは、こういった話を書くのが男性ばかりとは限らないことです。
女性でもそういうものを書く人を見かけたことがあります。

少し前に「壁ドン男子」が物議を醸しだしましたが……。
男性に強引に迫られるという話は女性がそれだけ魅力的であるという道具立てになり、「萌えシチュ」だと思う女性がいるのも分かります。

私にもそういう感覚が全くないわけじゃないんですが……。
女性が騙されて関係を強要されてという話になってくると、私の許容範囲を越えて悪質だと感じるんですよね……。

あと。
作品そのものの傾向だけでなく、そこに滲み出る書き手の自意識が苦手というのもあるかもしれません。

久世番子さんの「とげぬき鳩ちゃん」の「エロスの伝導」という話に、得意げに「こんなに過激なエロを読むことができる私」をアピールする痛い女子中学生が登場します。
マンガ中でも「恥ずかしがらない自分がカッコイイと思っています」と説明されています。あいたたたあ……。

もちろん、私のあずかり知らないところで誰が何をどうしようとそれは文句の言いようはありません。
ただ、私の方で注意深く避けていても、何かのはずみで被弾することはあるわけで……。
とある投稿サイトで意気揚々とエロを投稿している人を見かけて、しばらく「嫌だなあ」と思いながら我慢をしていたことがあります。

逃げるかどうしようか迷いつつ、その猥談好きな書き手さんを遠巻きにヲチしている間に、興味深い出来事がありました。
私以外にも不快だと思った人がいたようで、その猥談好きさんにDMかなんかで苦情を入れたんだそうです。

ところが、猥談好きさんは、その苦情に対するリアクションを誰の目にも触れるところで開陳されてまして。
「これこれという苦情が入ったけれども、私は……」と長文を投稿していました。
それも2時間おきとか書き直しを繰り返すのが異様でしたね。凄いエネルギーw
(私もまだそこに新規投稿しようかどうか迷っていてしょっちゅう覗いてたんです)。

その猥談好きの書き手さんの主張するところによれば。
その人は「みんなのために」書いているのだそうです。

今回の拙作の猥談好きの男の台詞に流用しましたが、エロを積極的に人に聞かせる側の人は「男女のことなんて、二人は朝を一緒に迎えましたで描写を済ませるのは簡単だ。それを自分はみんなを楽しませるためにエロ話を一生懸命作っているのだ」そうです。なんか義務だと考えるみたいですね、そう言う人は。

「止めてくれ」と叫び出したい気持ちで我慢してたところに、そんな恩着せがましい主張を読んで、私は唖然としてしまいました。

拙作の登場人物の「猥談好きの男」が人との会話自体は巧みであるように、その猥談好きさんも小説自体は上手い方です。語彙や表現力が豊かで。書き慣れている方の巧さがあって、セミプロなのかもしれません。

なのでファンも多く、同情的なコメントが多数寄せられていました(いわゆる「よし牛」ってやつですね)。
その後もその方は自分の気が済むまで創作をされていたようです。

その方は女性(のはず)ですが、オヤジとかで、セクハラと言われようがなんだろうがエロ方面を外に出すことにやたら意欲的な人の思考回路はこうなのかもしれません。
「こんなに過激なエロ話ができる自分」は「人を楽しませているはずだ」という信念があるのでしょう。
「エロ」を共有することが「人と人との本音の繋がり」だと信じ、「自分は綺麗ごとの枠にとらわれることなく、人間らしく生きている」という自負もあるのかもしれません。

私自身はあまりそういう感覚がないので、ただただ引くだけだけなんですけれども。
それだけに、私の内面からは生み出せないキャラです。
私とは全く異なる思考回路の人間を観察することができ、拙作にこのようなキャラを登場させることができたのは、ラッキーだったのかもしれません。

んで。
作中に登場させてみると、「エロ至上主義の小悪党」ってキャラは凄く使い勝手がいいんですよw
これからも、拙作の中でこの「猥談好きの男」はろくでもないことをしでかします。

どんな悪役にもその人物なりの正義というか行動原理がないとキャラは立たないと思いますが、この手のキャラの言動の理由は「だってエロが好きなんだもん」と単純明快。
特にどろどろした心理を深く掘り下げる必要もなく、さくさく動かせますw

私がモデルにした猥談好きの書き手さんも、多分、円偉みたいに拗らせまくったタイプの悪人ではないんでしょう。
不愉快っちゃあ不愉快ですが、PCのモニター越しに言動を眺めているだけで、不愉快に感じる以上の実害もなし。
かかわりのない所から今後も観察してると何かの役には立ちそうです。

最後の最後までこの小悪党がちまちま悪事を働きます。
もちろん主人公たちはそれらを乗り越えていきますので、どうか最後までご愛読賜りますよう。

今回は洛西竹林公園で見た、竹の切株の写真です(竹の宮の姫君が自身に向けられる男のエロから身を守るために仕込んでいるものです)。

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