平安ファンタジー小説「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕え或ハ近衛大将ノ大詐術」の「十七 翠令、失せ物騒動に遭う(二)」を投稿しました!
https://kakuyomu.jp/works/16816927860647624393/episodes/16816927860726826496錦濤の姫宮が東宮御所である昭陽舎の暮らしに慣れていく一方、白狼の方は落ち着きません。
佳卓が善後策に奔走し、白狼はしばらく竹の宮で過ごすことになります。
今まで佳卓の一風変わった性格を描写してきましたが、もちろん麾下思いのいい上司です。
趙元が言うように「働き者」なんですよ。だから、彼は二、三日完徹して手持ちの哲学書を読み切って円偉との会談に臨んだのです。
というわけで、円偉はとても満足しています。
しかし、円偉は佳卓と話せたことは非常に喜ばしく感じていても、白狼にはなんの関心もありません。
で、全く興味がないがゆえに、白狼への露骨な差別心を錦濤の姫宮と翠令に何の自覚もなく無頓着に晒します。
これは、白狼を蔑んでいるからだけではありません。
錦濤の姫宮と翠令のことも馬鹿にしているのです。「女子どもが、この自分の差別を見抜いて、その善悪を偉そうにジャッジなぞするはずがない」と。
壮年の男性は、壮年の男性だと言うだけで女子どもより偉いと思っている……いますよね、こういうオヤジ。でも無自覚なので「自分は差別などしない善人だ」と思い込んでいるんですよ。ああ、ムカつくw
さて、姫君が御所風に馴染んで来たところで、今回のこの近況ノートでは、平安時代の貴族の暮らしをイメージするのに凄く役に立つミュージアムをご紹介します。
平安時代に興味がある人の間で非常に有名な「風俗博物館」です。
平安時代の風俗を人形(人間の四分の一サイズ)で展示したものです。
日本の王朝文化をがっつり時代考証したドールハウスと言いますか。
2021年の夏の展示を見に行った時の写真で、寝殿造りの建物の中で男性が女君の部屋を訪ねている場面のものを掲載しておきます↓
この風俗博物館について私自身の感想や、ご紹介しようとして分かったことなどをここで書き連ねようとしたのですが。
分量が多くなりそうなので、書き終えたらエッセイ「あら、こんなところに入り口が……」(
https://kakuyomu.jp/works/16816927859356756509)の方に掲載することにします。
ええと、拙作に話題を戻しますと……。
錦濤の姫宮はまだ童なので御簾で隔てずに円偉や佳卓と顔を合わせているという設定です。というか、まだ姫宮はお庭で飼い犬を遊ぶ気満々ですからねw
今回、円偉の人間性がまた一つ詳らかになりましたが、彼はずっとこんな風です。こんな調子で、姫宮や白狼、そして佳卓と穏やかに時間が経つはずはないわけで……。
これからいろいろ起こりますので、どうかこれからもお付き合いくださいますよう。
風俗博物館
https://www.iz2.or.jp/↓風俗博物館から寝殿造りの女君の部屋を男君が訪問している場面。