ネバーギブアップ~普通そこは主人公に転生でしょ~の
最新話を公開しました。
第38話と第39話を更新しました。
今回は物語を2つに分けてみました。
どうぞよろしくお願いいたします。
それでは皆様、どうぞアリアの物語を
よろしくお願い致します。
それと、まだ小さいアリアの成長を
見守ってあげて下さい。
では、また次回お会いしましょう。
アリアは鬱陶しそうに顔を上げた。
「お嬢様、酷いですよ」
そこには、泣きながらアリアを
胸に抱き締めたシオンがいた。
「シオン、離してくれるかしら💢」
「嫌です!今回シオンの出番が最後の
ほんの少ししかないじゃないですか」
よよよっとアリアを胸に抱いて悲しく泣いた。
「もっと出たかったです、お嬢様」
ぎゅうっと抱き締めて出られなかった分を
アリアの抱き締めることで補おうとした。
アリアは、必死にシオンを押したが
離してくれなさそうなので諦めた。
「はぁ~、シオン。もう良いですよ。
好きなだけ抱き締めなさい」
「はい、お嬢様!やっぱり、お嬢様は
優しいですね!」
シオンはアリアから許しを得たと
笑顔を浮かべて、アリアを
抱き締めたまま仕事へと
戻ろうとした。
シオンに抱っこされたまま、廊下に
出た瞬間、アリアは慌ててシオンを
呼び止めた。
「シオン、どこに行くつもりですか!?」
「え?お嬢様に好きなだけ抱き締めて良いと
お許しを得られたので、今日はこのまま仕事を
しようと思っております、アリアお嬢様!!」
シオンはにこやかに答えるとアリアを抱っこしたまま
どんどんと廊下を進んでいく。
そして、廊下を進めば進むほど、お屋敷で働く
使用人達に出会っていった。
皆、シオンを羨ましそうに見つめていた。
アリアは、そんなことを知らないので
皆に注目され続けることに段々と
恥ずかしさが募っていった。
「シオン、シオン、シオン。お願いだから降ろしてね。
お部屋でならいくらでもわたくしに抱き着いても
良いから、今は離してください!」
半泣きでシオンに懇願した。
しかし、既に仕事モードに突入したシオンに
その訴えは届かなかった。
シオンは器用にアリアを抱っこしたまま仕事を
こなしていき、部下への指示も的確に行っていった。
アリアはシオンに抱っこされながら、
あんなことを言わなければ良かったと
激しく後悔した。
そして、恥ずかしさが少しでも薄まるようにと
シオンの仕事が終わるまでずっと顔を胸に
埋めていった。