「ネバーギブアップ~普通そこは主人公に転生でしょ~の
再開予定についてらしいですよ」
ぺこりとアリアが頭を下げた。
「作者がバカな事をやって体調を崩しているので、
代りにわたくしがお知らせに参りました。
読者の皆様、馬鹿な作者に変わってお詫びを
申し上げます」
カンペを掲げるシオンをアリアが、不安そうに見る。
「シオン、大丈夫かな。間違っていないわよね」
シオンがそんなアリアに、温かく迎え入れる。
「自信を持ってください、アリアお嬢様。
お嬢様に間違いなどありえませんよ。
だから、元気を出してください、お嬢様」
シオンがアリアの頭を優しく撫でる。
「本当に!!」
「ええ本当ですよ、お嬢様」
カンペを放り出して、アリアをギュッと抱きしめる。
「ふふ。シオンは暖かいですね」
シオンはアリアに見えないようにニヤリと笑う。
(ああ、お嬢様。お可愛らしいです。お部屋に御持ち帰りたい
気分です。いっそ持ち帰ってみましょうか。カルガモのヒナ
のように今なら付いて来てくれそうですね。フフフフフ)
不穏な事を考えながらシオンがアリアを抱きしめていた。
「ねえ、シオン」
「どうしました、アリアお嬢様?」
「シオンの鼓動が速まっているのは何かあるの?」
「!?」
シオンの背に汗が流れる。だが、顔を取り繕い
柔和な笑みを浮かべてアリアに答えた。
「アリアお嬢様それはですね、お嬢様の晴れ舞台ですので
シオンも緊張をしていたのですよ。私達の大切な
アリアお嬢様がこうして、作者に変わり重要な
お知らせをするのですよ。お嬢様と同じように
緊張も致しますよ」
「本当に?わたくしだけではないのですね。シオンも
緊張をしているのですか?」
「勿論でございます。シオンは、お嬢様付のメイドですよ。
お嬢様だけにプレッシャーを感じさせるわけには
いきません」
「シオン!!やっぱり、わたくしの最高のメイドですね。
大好きですよ、シオン!!」
笑顔でシオンを抱きしめる。
「ぐふ!?」
嬉しさにシオンが思わず変な声を漏らす。
「ど、どうしたのですか、シオン!!」
「何でもありませんよ、お嬢様」
ニコッと微笑む。
「ですが、鼻血が出ていますよ。はっ!!
わたくしのせいですか!!わたくしが
シオンを力いっぱいに抱きしめてしまった
せいですか!!ごめんなさい、すぐに
離れますね。シオン、しっかりしてください」
シオンがそれを聞いて慌てる。
「ち、違いますよ。少し逆上せたのが原因です。
お嬢様は悪くありませんので、そのまま
抱き着いていてくれても問題ありません。
いえ、むしろ今アリアお嬢様に、胸から
離れられたりでもしたら、私シオンが
問題ありになってしまいます」
「え!?そうなの!?分かりました。
もっと一杯に抱きしめますね」
アリアに更に抱き着いてもらったシオンが
顔を綻ばせる。
「さ、お嬢様、お知らせの方をお願いしますね」
「あ、そうでした!お待たせして
申し訳ございません。では、お知らせです。
えっと、わたくしの次の話をアップしてしまうと
当分の間、止まれなくなるので、もう一方の
転性魔王をヒビキを救出する所まで
進ませてください、
どうかお願いいたします。ですって。
はあ、まだわたくしはお休みですか」
しょぼんとしてシオンを見上げる。
「お嬢様!!」
痛々しいアリアをシオンが本当に心配して
抱き締める。
「ありがとう、シオン」
アリアは、一度シオンに顔を預けて、
顔を上げた。
「でも、まぁいいわ。14日に
勝手に更新してあげたので
それでチャラにします」
そう言うとアリアは可愛らしく笑った。
「では読者の皆様、申し訳ございませんが
もうしばらくお待ちください。
よろしくお願いします」
深々とアリアとシオンが頭を下げた。