どうも、砂山海です。現在連載中の「ミッシングリンク」の合間に息抜きでちょっと書こうかなって思ってます。まぁ、タイトルから中身が想像しにくいからとっつきにくいかもしれないけど、伏線の一環なので変えられない……ご容赦を。
さて、今回のお題は「書き続ける」という事。
物書きのみなさんならわかるかもしれませんが、書き続けるというのはかなり難しい事なのです。面倒だな、仕事や学校で疲れたな、新作のゲームや漫画があるから終わってからやろうかな、なんて誘惑が多いこのご時世。それでも書き続けられる人は偉い。メチャクチャ偉い。
かく言う私も一度は断筆しているんですよ。
あれはそう、大学三年生くらいだったかな。社会経験が無さ過ぎて働いている描写にリアリティが生まれず、つい内省的な事ばかりを小説にしてしまった時期があります。
思えばあの頃が人生で一番本を読んでいたはずなのに、アウトプットできずにいた。何故か? 人生の経験値が恐ろしく低かったから。
いや、経験はある程度していたけど、それを作品に活かせられなかった。やがて就職したら今度は忙しすぎてそれどころじゃなくなり、また今ほどネット環境も無かったから読んでくれる人もいなくてどんどんモチベ低下し、十年くらい書かない状況になったんですよ。
だって書かないと早く寝られるし、趣味に時間使えるし、消費活動がはかどる!
でもね、十年離れてふと思ったんです。こんなの自分じゃないな、何か違うなって。
それからポツポツまた書き始め、今に至るわけです。当時から比べたら全然読書はしていないし、文学的なインプットはできていない。でも、あの頃に比べて格段にアウトプットできている。ほぼ毎日書き続けられる。
要因は大きく二つ。一つは社会経験を得たから。
ちゃんと働く事によって狭い世界ながらも労働とは何か、社会とは何か、そういうのを得られたから物語にリアリティを含ませられる事ができるようになって幅が広がったんだと思います。
もう一つはネットの進歩。
当時はその世界を知る人に話を聞くか、文献で調べないとならない事が多かった。でも今は検索すればかなり正確に欲しい情報が手に入る。メチャクチャ書きやすい時代ですよ。
そんなわけで環境的には書きやすいけど、誘惑の多い時代。おまけに日々の疲労が執筆を邪魔する。でも、そういう時こそ書かないといけないんですよ。何故か?
書かないと、書けなくなるから。
学生の時、運動部にいました。二日くらい風邪で寝込んだら、今までできていた事ができなくなるんですよ。体力が落ちるから。執筆もそうで、パソコンとかに向かってカタカタやってるだけで体力なんかいらないだろうと思われがちですけど、何をするにしても体力なんですよ。
どんなに仕事で疲れていても脳にスイッチを入れて書くのは体力が無いとできない。そもそも、座り続けていられないからね。
あと、執筆もそうですけど、休むと動き出すまでに時間がかかる。そうなると、何でこんな面倒な事をやらないとならないんだろうって考えちゃうんですよ。だから書き続ける。書いていたら楽しいし、どんどん書けるようになっていくから。
だから無理矢理にでも書いた方がいい。
古いけど、水戸黄門の歌にもあったじゃないですか。「泣くのが嫌なら、さあ歩け」って。読まれず、認められずに泣く暇があるなら書くのです。
それでも辛いから書くのが嫌なら、ゆっくり休んでください。冷たい意見ですけど、そうなればもう脱落です。どんどん素晴らしい才能が見いだされるこの時代、辞めたら終わりなんですよ。
だって新しい娯楽やお話が溢れているんですから。