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「を」とか「が」とか……

えっと卯月の近況ノートをお読みになられているような、ちょっと変わったみなさんに質問です。

「を」と「お」を区別して発音されますか?

卯月は昔から「を」を「wo」、「お」を「o」で区別して発音する派のひとです。

この「を」と「お」の発音については、すでに決着がついていて内閣告示の「現代仮名遣い」(1986年)の中の表で、「を」の読みは「お」としています。これは「現代仮名遣い」の前身にあたる「現代かなづかい」(1946年)でも同様。

「を」と「お」のハナシはたまにネットでもネタとして出てくるし、以前、マツコの番組『月曜から夜ふかし』で愛媛県民が「を」を100%「wo」で読むみたいな回があったらしく、当時のTwitter(現X)上でも盛り上がったらしい。

卯月は小学校の先生にそう教わった記憶(「を」を「wo」)がある。でも、同じ県でも最近は国の方針通り「を」は「o」で教わっているって、ちびっ子が言ってた。

国語科の教師ってのは「国の方針に逆らう勢」ってのがけっこういる印象。昔、文化庁が漢字について、手書きの際は「木」の例えば縦画はとめてもはねてもどっちでもいいし、「天」という字の二本の横画は、上下どちらが長くても誤りではないよって出しても、漢字テストで「とめ・はね・はらい」まで厳しく採点とかやり続ける先生って多かった(中学)。(ちな、卯月は「はらい」というものに自信は無い。これでも一応お習字はならってたんだけどね)。

ああ、いつものように脱線しました。「を」の読み方でした。

そのTwitterでの盛り上がった頃に便乗した新聞社系のネット記事とか多く残ってますので調べればすぐにでてきます。

「お」と「を」の発音を意識的に分けている人は、だいたい四人に一人ほどだとか。地域によっても偏りがあるらしい。

大学の偉いセンセイによると、もともと「お」と「を」は異なる発音だったけども、西暦1000年ごろ(平安時代後期)にはどちらも「wo」と発音していた可能性が高いとか。それが江戸後期あたりでどちらも「o」と発音するようになって現代につづくらしい。

で、興味深いのが、キーボードでは「を」を「wo」で入力することなどから、「wo」派も増加しているらしい。でも、若い子がパソコン使えないハナシはよく聞くのでこれはあやしい(スマホやタブレット依存)。

時代によって言葉が意味を変えていくというのはよく聞く話ですけど、このひらがな一文字ですら歴史があるというのは面白い。

ああ、あとその卯月の(日本語の発音に並々ならぬ執着を見せていた)小学校のセンセイは、もちろん「鼻濁音」についても熱く語っておられました。

「鼻濁音」わかりますよね? アナウンサーさんはしっかりと使い分けるアレ。鼻濁音は意識して鼻から抜けるような音。「んが」「んぎ」「んぐ」「んげ」「んご」みたいに、が行の前にちいさな「ん」が聞こえるような音。

基本ルール
1.語頭は鼻濁音にならない
2.格助詞、接続助詞は鼻濁音
3.複合語の場合は複雑
4.外来語、擬声語、擬態語、数詞の五は鼻濁音にならない

みたいなやつ。卯月はもう意識しなくなって長いので残念ながら今は「鼻濁音」使いではありません。

私「が」卯月二一です。の「が」、
カクヨムさんにお伝えしていました「が」、の「が」は鼻濁音になります。

話していて、相手がこの鼻濁音を完璧に使いこなしている日本語の使い手だと分かると、まあ「格上」確定です。アナウンサー志望だったのかもしれませんし、音学科で声楽の人なのかもしれませんが、戦闘力が高いので卯月は逃げ出すしかありません。武術の達人がその強さの片鱗を見せているようなものだったり。

まあ、冗談ですけど。この「鼻濁音」のほうは一般社会では消えてなくなりそうだと。空前の鼻濁音ブームとか来ないかな(をがwoもセットで)? 話し言葉にみんなが意識を向けられる余裕のある世界はきっと平和にちがいないので(ちょっと面倒だけども)。

そんな子どものころに教わったふたつの日本語のオハナシでした。


今日はこれで。
卒業写真 - 荒井由実(松任谷由実)(フル)
https://www.youtube.com/watch?v=drP4GpMEtd8

この方達のも追加。

卒業写真(森山良子)
https://www.youtube.com/watch?v=YCCbtf6S5kU

森山直太朗 - 卒業写真(荒井由実カバー) / にっぽん百歌【母校】
https://www.youtube.com/watch?v=PjTtcs8oZIU


では。

11件のコメント

  • まぁ、時代と共に言葉つかいも変化してきていますからね。

    多数派がこの先「を」になるか「お」になるかを決めていけば、それが正解になるんじゃないですか?

    最近は「〇〇わ」の送り仮名もカクヨムでは見なくなって「〇〇は」に、もどりましたけれど。

    あと、小説のセリフラストに「〇〇だから。」の「。」も見なくなりましたから、「を」も「お」もそんなに気にするコトはないんじゃないですか?自分は小説「を」ですけれど
  • 発音の「を」と「お」は、使い分けて発音しています。
    昔の人間は夜目が効いたり(なんでも、色も新人類とは見え方が違うらしい)舌や口の使い方も旧人類は違いますから。
    足の指でモノが持てたりしますから(やろうと思えば足の指でティシュが取れる)
  • いやいや、気にしたいですねぇ。言葉の使い方に幅があるってステキじゃないですかね。そもそも正解うんぬんかんぬんで書いてませんよぉ。ちゃんと読んでほしいっす……
  • ふむ。これはフライングでしたかねぇ?
  • いや、そうでもないのか……
  • コールセンターで働いていた時は、いかに電話の向こうの相手に正確に物事を伝えるかが勝負だったので、「を」と「お」は区別してしゃべっていました。
    本当は鼻濁音かそうでないかの区別もやりたかったんですが、油断して全部鼻濁音になってた気がします。

    「を」もセットで鼻濁音ブームが来たらおもしろいですねw
  • おおっ、これはプロの話し手さん。
    祐里さんはそうでしたね。ということは、相手の言葉のちいさな使い方にも気づけてしまう(卯月とおなじ)メンドウなひとですなw
    荒井由実の曲をセレクトしましたけど、(流行りの)歌い手さん界隈でもいろいろでした。どちらであっても気分良く聴けますけどね。
    コメントありがとうございます。
  •  卯月二一様、コメント失礼致します。

     昔聞いた話なのですが。
     英語には「ガ行の鼻濁音がない」らしく、日本語で鼻濁音を聞くとその響きが素晴らしいと称賛するそうです。
     逆に言うと、英語圏の人は基本的に「ガ行の鼻濁音が発音できない」ようなんですよね。
     最近は日本語と英語を同時に学ぶ環境が増えたため、「ガ行の鼻濁音」を憶える前に英語の「g」を習ってしまい、「ガ行の鼻濁音が発音できない」子どもが増えているのだとか。

     歌手でも鼻濁音ができる人とできない人がいるので、聞き分けてみると面白いですね。
  • ほほぅ。面白いですね。

    singなどのぽいものはあるけど、日本語の鼻濁音とは別モノですね。英語の発音矯正の先生が、鼻にかけて発音しないようにって言ってる動画を発見。似たもので鼻音(m,n、ngの三種)はあっても違うのだとか。

    戦前の小学校教育では、ガ行鼻音を使うことを原則としていたようですが、現在、ふつうの小中学校の国語教育では鼻濁音の指導は学習内容に含まれていないようで。そもそもその存在を知らない子どもたちも多そうです(あとは音楽の先生が頑張るかどうか……)。

    貴重なコメントありがたいです!
  • 音楽の先生※は、「が」を「んが」と発声して歌うように!と、おっしゃっておられました。
    ※声楽の専門の方でした。
     
    基本ルールは、普段も意識したいところですね。
  • やはり頼るべきは音楽の先生っすね。でも、どの「が」が鼻濁音かの判断がたいへん。
    小学校、中学校、大学の「が」は鼻濁音。
    高等学校、音楽学校の、学校の「が」はふつうの濁音。ってネタがネットにありましたw
    コメントありがとうございます。
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