『初恋リベンジャーズ』の第二部・「第4章〜推しが尊すぎてしんどいのに表現力がなさすぎてしんどい〜③」を投稿しました!
第4章の告知では、『初恋リベンジャーズ』という作品を執筆するにあたって、参考にした書籍などを作者に代わって紹介中!
第三回目の今回はこちら!
『電通とFIFA サッカーに群がる男たち』
出版社:光文社新書
著者:田崎健太
〜レビュー〜
サッカー・ワールドカップの開催と、それにともなうスポンサーの獲得、肥大化を続ける放映権料――――――。
七〇年代半ばまでヨーロッパ中心だったサッカー界を大きく成長させ、そして腐敗させたアベランジェとブラッターというFIFA(世界サッカー連盟)のドン。
その権力の背景には、日本の総合広告代理店・電通の影があった!
誰がサッカーを《仕切る》のか?
サッカービジネスを知り尽くす電通元専務取締役が、すべてを語った!
この新書の最大のポイントは、2022年〜23年にかけて、東京五輪関連で報道が相次いだ収賄事件の張本人である元電通社員の高橋治之氏自らがが、広告代理店とスポーツ業界の蜜月ぶりと癒着ぶりを余すところなく語っているところ。
(六年以上前に出版された本書が昨年増刷されたのも納得ね)
自社の広告主を握っている広告代理店・電通が絡んでいるだけに、新聞・テレビ各社ともに及び腰の報道しかなく、今ひとつ理解しづらい東京五輪の収賄の実態は、本書で語られるFIFAと電通の関係を見れば、おおむね理解できるんじゃないかしら?
電通が、広告主であるスポンサーと各種メディアやスポーツ団体の単なる橋渡し役で終わらず、あらゆる金銭的利権に食い込んでいる点と、その利権に、いかに食い込んでいったかという歴史と過程が、良くわかる一冊になっているわね。
日本サッカーの低迷期から始まる世界のサッカー界と電通の二人三脚の活動が、黒田くんのようなスポーツ観戦愛好家にも、私のようなスポーツに知見の無い人間にも描かれていて、興味深いわ。
こうして、電通抜きには、スポーツ興行が成立しなくなったことが、東京五輪の野放図で、莫大な開催経費につながったことは想像に難くないけど、その点については、また別の書籍を紹介する時に触れることにしましょう。
ところで、個人的には、どうしてもサッカー代表チームの活躍を生放送で視聴したいと思う人間ではないけれど、昨年末のカタールワールドカップでは、放映権料があまりにも高騰しすぎて、ついにはテレビ局での全試合中継が不可能になってしまったけれど、これは本末転倒であり、広告代理店のあり方として疑問を感じざるを得ないわ。
黒田くんは、「ウ◯娘のお陰で、ア◯マで視聴できたので満足ッス」と言ってたけど、日本の経済情勢からみて、次回以降のワールドカップの中継がどうなるのか……、興味深いところね。
本日の更新
第二部・「第4章〜推しが尊すぎてしんどいのに表現力がなさすぎてしんどい〜③」
今回もお楽しみください。
(芦宮高校広報部・花金鳳花)