インドア派でほぼ引きこもりのうちの嬢ちゃんが、めったに降らない雪にはしゃいで「雪遊びしてくる〜」と、外に出かけて行った。
雪には不思議な魔力があるものだと、微笑ましく思い、彼女の作った作品を見に行った。
「小人さんの足跡」
と、得意げにしているので「可愛いねえ」と写真を撮ってみたら、思いがけずホラーになってしまった。
外見は今も赤ん坊のように無邪気そのものなのに、彼女の中にはいつも仄暗い何かがあって、たまに恐ろしく思うことがある。
思い返せば、酷く落ち着いた赤ん坊であった。
産声を上げた後、まだよく見えていないはずの大きな目をパッチリと開いて、ジッと私を見つめるその瞳の深さに、居心地の悪い気持ちになった。
幼稚園の頃に私の似顔絵を描いてくれた時も、虚空を見つめる自分の目が、果てしなく闇を含んでいて、一体この子には何が見えているのだろうと震えたものだ。
私は心の中で密かに彼女を「魔王」と呼んでいる……。
そんな彼女も登場する鳥尾巻家日常会話エッセイなどはいかがだろうか。
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【ゲーム好き男子高校生との会話とボヤケた日常】
https://kakuyomu.jp/works/16816700428481482277