ある日の仕事帰り。
「温泉掘りに行こうぜ!!!」
頭のおかしな友人Tから電話がきた。
「お前は何を言っているんだ・・。」
「週末にスコップ持って迎えに行くから!!じゃあよろしく!!」
「あ!!おいっ」
週末はY子(彼女)とデートの約束だった。
事情を話すとたまには3人で遊ぶのも良いとのことで(温泉掘りに行くとは言ってない)普通の旅行支度をして僕の家にきた。
T「おっ!!来たな労働者っ!!早速出発するか!!」
Y「なんでスコップ担いでるの!?温泉旅行じゃないの!?」
僕「温泉(掘り)旅行だよ?」
Y「あ、あたし塾の時間だった!!帰る!!!行きたくない!!!絶対これいつものやつだ!!!」
何度騙されても良いリアクションを見せてくれる芸人魂を持ったY子は本当に良い彼女だ。
道なき道をひた走り、半べそのY子の尻を叩きながら車を降りて川を3つ越える、何度も遭難しかけながら荷物を全て流され号泣するY子を励ましながら4時間かけてTお目当ての温泉の出る河原へ到着。
ブルーシートを持参していたので穴を掘りそこに温泉を溜め、川の水で割って温度を調節し入浴。
2度とやりたくないが人生でこんなに気持ちの良い温泉は初めてだった。
https://kakuyomu.jp/works/16816452219659046298/episodes/16816452220670485452