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メモ2

トミヒロは、工事に使う鉄骨や型枠を見て、その重量に途方にくれた。
鉄骨は、現代日本の尺度によれば1t、型枠は500kgをゆうに超えている。こんなもの、トミヒロたちのような18歳にも満たない子供達が何人集まっても、持ち上げることはできない。
トミヒロが周囲の子供達の表情を見ると、案の定、彼らも途方に暮れている様子だった。
この現場に集った男達を見ると、彼らは、1tを超える鉄骨を、なんと、2人で持ち上げようとしていた。
彼らは、鉄骨の端に手をかけると、腰を落として、四股立ちの構えをした。そして、「ふんっ」という掛け声とともに、鉄骨を持ち上げた。
トミヒロは、男達が鉄骨を持ち上げた瞬間、彼らの周囲が淡い青色の光で満たされていることに気づいた。
男達によって鉄骨が持ち上げられ、それが、西壁建造の予定地の横に運ばれた。
男達によって鉄骨が降ろされた瞬間、鉄骨は、ドシャッという鈍い音を立てた。
トミヒロは、男達が鉄骨を地面に下ろした瞬間、男達の周囲の淡い光が消えて無くなるのを目にした。
棟梁は、手を叩いて、子供達を煽った。
「さあ、仕事だ、仕事だ。
この国では、子供も老人も、働かなきゃ生きていけねえ。お前らも、さあ、地面の草むしりから始めな」
棟梁に煽られて、子供達は、てんでんばらばらに、地面の草をむしり始めた。

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