親戚の葬儀の場で出会い、毎回顔を合わせる明晴叔父と私。 身内との付き合いが少なく、周囲の事が何も分からなかった私は、年を重ねるごとに叔父の思いや事情を知り、そして大人になっていく…

スナメリを目当てに水族館へ私を付き合わせた達樹は、私を置いて水槽にへばりついて夢中になっていた。 そんな彼のつるりとした後頭部には、一匹の赤い蛸が泳いでいる。 同じくスナメリがお…

近所の誰とも付き合いはなく、毎日仕事に行って帰る日々の私。 ある日スーパーで聞いた歌が気になった私は、歌詞の一部を検索しようと「どんな」と入力したところで、不思議な予測変換を見つ…

崖から落ちた仲間の卵を探していた、老竜エンリーシュ。 彼の元に現れたのは、同じ土地に住まいながら境界を隔てて生きる、オーク族の子供だった。 探していた卵を届けに来たその子供、ガイ…

三年間、毎日温室に通い、あるサンセベリアの鉢の手入れをしていく男。 彼を毎日見ていた妖精リンがある提案をした時、彼は初めて見せる顔を彼女に向ける。

学生祭の代わりにハロウィンパーティーがある夕夏の学園では、ある一つの恐ろしい噂があった。 曰く、その年に最初にランタンを作り灯りをともした生徒は、ハロウィンの当日に行方不明になる…

急な季節の変化に、落ち葉が大量に舞ってしまった大学構内。 講義の時間を大掃除に当てられ、大量の落ち葉をゴミ袋で集めていたその日、寛は不思議な存在と出会う。

浜辺で光るものたちを拾い集める少女と、共に生活するアルド。 二人の住む島に、ある日白い光を放つものが流れ着く。 ノベプラのお題マラソン「浜辺の漂流物」により書いたものです。 内…

とある夏の日。ひたすらに靴ばかり描いている陽介の元に、姪の佐奈がやって来る。 絵を描かなくなったという佐奈に、陽介はなぜ靴ばかり描くのかと問われて…… ノベプラのお題マラソン「…

忘れようのない美しい瞳を持つある少女との、思わぬ形での再会。 変化に揺れた自身と彼女の過去を思いつつ、二人は子弟となる。 第一回銀縁眼鏡文学大賞、応募作です。

それは恋か、友情か、家族への思いのようなものか。 松江健、氷室玲一、ザグルの三人の、リンゴに絡む物語たち。

両親の行方を探して旅に出たヨルは、長い旅路の果てに二人の消息を見つけ、故郷へと戻ることにした。 しかしその前に、旅の初めに出会いずっと世話になったオルフの遺骨を持ち、彼の故郷へ向…