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オフ会したい

例えばファミマにあったかいコーヒーを買いに小走りしたとして、コーヒー以上に湯気が出てしまうのがおでです。数日前、冬が近づいていることを知りました。妙に肌寒いと思ったら、十二月でした。そろそろ衣替えの季節だな。そう思いながら半袖のTシャツを重ね着しました。ファッションリーダーか、もしくはファッションリーダー(笑)です。カレーは飲み物であり、スイーツです。心を許せるのはツータックのスラックスだけなんです。そんな小太りがこの冬イチオシするアイテムは、ずばりニットキャップに他なりません。いわゆる頭頂部が時代を先取りしすぎているような、磔にされたキリストの雰囲気を感じさせる頭頂部としかいえないようなひとですら、連勤術を多用しすぎて等価交換の法則の代償により前髪の生え際を根こそぎ持っていかれたようなひとですら、課長のようなひとですら、不安要素をいくぶん和らげられるというとても便利なシロモノなのですから。ただ購入時にはじゅうぶんな注意が必要です。ニット初心者のおよそ九割が、奇抜な(派手な)デザインに心を奪われてしまうと聞いています。気持ちはわからないでもありません。またある意味において、そういったデザインを用いて木を隠すなら森といったムーブメントがかつて存在していたのも事実です。でもやはり、折り返しのついたオーソドックスなタイプがいいと思える日がいつか、訪れます。これをユニクロ界隈では「プラマイゼロ」とは呼ばないそうですが、例えばつばの付いたタイプをチョイスしたばかりに、おかしなニックネームを頂戴することはあります。がまかつさんとかマタギさんとか。釣竿とか猟銃とか持ってなかろうがです。それから折り返しのついたタイプといえども、折り返しの部分が浅めのやつは絶対に避けていただきたいです。これはもう百億パー死ねます。合コンにかぶっていったりすると、初対面の女子に「コンドームみたいですねその帽子」と絶賛されます。そうなるとこちらとしても、期待に答えないわけにはいかない。コンドームのようなそれを脱いで、財布に忍ばせておいたコンドームを人差し指にかぶせて、こんにちわこんにちわ!と腹話術めいた行為に走ります。挙句の果てには、ま、まあ、実際、おでのサイズもこんなんですけども!と取り繕おうとしますが無理でした。クリスマスの予定は埋まりませんでした。オフ会を催したくなるほどには空白です。目出し帽オフです。集合場所は銀行で、留置場を経由して解散します。釈放されるまでがオフ会です。


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