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花粉が山ほど飛んでおります

 せっかく、春の優しい日差しが出てきたのに、花粉が山ほど飛んでいて、鼻は鼻炎薬で何とかなるとしても、ここ二年は、目が大変なことになっています。

 私は、結婚してから花粉症を発症したのですが、それまであまり鼻風邪を引いたことがなかったので、花粉症になった初めての年は、思いっきりくしゃみをしておりました。
「は、は、は、はーくしょん!!」(はぁ、気持ちいい)

 しかし、花粉症のベテランである私の夫は、その私を見て眉をひそめて言いました。
「そんなに気持ち良くくしゃみをしていたら、そのうち、肋骨にひびが入るよ。もう少し、押さえてくしゃみをしなよ」
「くしゃみで、肋骨なんか折れるもんなの? だって、くしゃみだよ」
「折れるよ、そんな風に欲望のままにしてたら」

 夫は、用心深い性格なのです。私は、いくら何でも心配しすぎだと鼻で笑っていたのですが、ある夜、寝返りを打とうと上半身をねじったら、経験のない痛みが、骨の上を電気のように走ったのです。

 真夜中でしたが、私は、驚いて夫を起こしました。
「どうしよう。寝返りを打とうとしたら、感じたことのない痛みが、骨の上をピーッと走って」
オロオロと訴える私に、眠い目を必死にこすって頭を振り、何とか話が出来るまで目を覚ました夫は、
「多分、肋骨にひびが入ったんじゃない。明日、整形外科に行っておいで」
と、言いました。

 翌日、慌てて整形外科に飛び込むと、レントゲンでも写らないくらいのひびがはいっているだろう、ということでした。
「くしゃみでも咳でも、やり過ぎると肋骨を折ること、結構あるんですよ」
お医者様はすました顔で仰り、私はしょんぼりと家に帰りました。

 以来、くしゃみには気をつけるようにしています。それで、今は、かゆくて晴れ上がって目を掻こうとして、夫に煩く注意されています。
「触らないのが、一番。かゆかったら、目の周りにクリームを塗れ。短時間でも顔の力を抜いて、目を閉じてみる」

 花粉症のみなさま、どうか、ご自愛下さいませ。
 

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