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「イセカー・インクレディブル」やらかしの記録

第1話で登場した雲平線上に小さく見える敵国の城……
まるでドイツのホーエンツォレルン城のような、幻想的な光景

なのだが、地球サイズの惑星の場合、実は水平線までの距離って案外近いらしい?
およそ4.5km先といったところ
敵国の城が4.5km先……、一気にご町内レベルの戦いに!

これはまずい! ということで色々調べてみた
水平線が見える距離は自分の立っている高さでかなり変わるらしく、
10mの高さからは11km先
20mの高さからは16km先に水平線があるらしい
主人公のいる場所を、海抜ならぬ雲抜20mと仮定しても16kmか……



ここでそもそも、肉眼でそんな遠くを目視できるのか?
という問題が生じてくる
(主人公たちの視力がめちゃくちゃ良い説はひとまず除外)
敵国の城を、石造りの建物としては世界で一番高いであろうサグラダファミリア程度(170m)と仮定する
ちなみに、1890年に完成したドイツのウルム大聖堂も161mなので、それほど非現実的な数字ではないはず

日本ではベイブリッジの主塔が172m程度
30km先のスカイツリーから肉眼で見ることができるそうなので、「肉眼で見ることができるか?」という問題はクリア



話を戻しまして
雲抜20mと仮定して、雲平線までの距離は16km

では、異世界が地球より大きなサイズの惑星であった場合はどうか?

地球は地球型惑星の中ではかなり高密度な部類だそうなので、密度が低ければ、同じ重力でも地球より大きいサイズであることも考えられる
金属や岩石より密度の低い“水”を主成分とした海洋惑星であれば、地球の2.6倍ぐらいの半径を持っていても重力は同程度となる
これで、雲抜20mの高さからの雲平線までの距離を計算すると……

ああっ! これでもわずか25km先までしか見えないのか!
しかも、主成分のほとんどを水とした海洋惑星なんて、話が変わってしまう!

もう重力は無視!
魔族になった時点で高重力に耐えられるようになったとする!
もしくは、非常に軽くて硬いオリハルコン的伝説金属が、地殻内に多く含有されている低質量かつ広大な惑星と仮定して……

それでも、地球の半径の9倍と仮定しても16km×√9=48kmまでしか見えないのか~

そこまで遠くになると、大気の厚みでディティールは見えないなぁ
異世界は惑星ではなく、平らな世界だったとしても……肉眼で確認できたという点から、そんなに遠くではないだろうし

16km……16kmか……スイスのマッターホルンとモンテローザ間がだいたいそのぐらいの距離
間にゴルナー氷河を挟んで、敵国の首都は麓町のツェルマット?
直線距離だけじゃなく、上下の移動もあるから、まぁ、戦いの舞台としては悪くないか?



と、ここで気づく
「ああっ! 敵の城の方が高い位置にあれば、雲平線から突き出して見えるじゃん!」
敵国の城が同じく雲抜20mの位置にあると仮定すると、三角形の相似より、2点間の距離は16kmの倍の32kmになる!
雲抜30mなら16+20で36km
雲抜40mなら16+23で39km
いくらでも伸ばしていけるが……



32km先にある170mの建物はどのくらいの大きさに見えるのだろう?
(arctan(170m/32000m)/2π)×360=0.304度
1円玉でいうと、
(arctan(0.02m/3.8m)/2π)×360=0.301度なので
だいたい、4m先の1円玉と同じぐらいか(ちなみに、6畳間の長いほうの辺が384cm)
目のいい人なら見えるだろうだけど、ちょっと小さいなぁ

仕方ない
距離を半分にすれば、まぁ、城の形ぐらいは確認できるでしょう
結局、最初の数値通り、16~20km程度の距離ということになりそう



ちなみに、一番のやらかしは、次の展開が思いついていないことです
思いついていない時に限って、こういうこと考えよるこいつ……

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