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カクヨム小説「末路」レビューの続き

 この近況ノートは、「浅草地蔵@小説書き」氏の小説「末路」におけるレビューの続きです。興味のある方は、下記URLから先に作品を読んでからご覧ください。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054888779875

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 誰かが言った。「努力をしなくても一番は取れる」と。

 しかし、私には小心者の戯れ言にしか聞こえません。運に頼って一番を取ることに再現性があるでしょうか? 50%の確率で一番を取れるとしても、五回連続で一番を取れる確率は僅か3.125%しかありません。

「一番を取ろうとして努力した結果、二番にしかなれなかった」

 たしかに、満足いくものではないでしょう。結果だけ見れば、運に頼ってでも一番になった方が良いように思えます。しかし、運だけに頼らず努力を怠らなかった人には、一番になるために行った様々な経験が蓄積されているはずです。この経験は、必ず先の人生において役に立ちます。この経験こそが、自信を醸成するのです。

 この小説で、印象的なフレーズがあります。
「もう2番でも、悔しくない。」
 これは、逃げでも負け犬の遠吠えでも決してありません。自分の限界まで努力したからこそ出てくる台詞です。自分自身を信じることができたからこそ、『悔しくない』と言えるのです。

 カクヨム小説『末路』は、つたない文章ではありましたが、この本質を見事に捉えていました。素晴らしいの一言です。

 余談になりますが、かつて「世界一になる理由は何があるんでしょうか? 二位じゃダメなんでしょうか?」と言った議員がいます。この発言は随分批判されました。しかし真に批判されるべきは、この質問にまともに答えられなかった行政側でしょう。「例え一位がとれなくても、一位になるために行った様々な経験が蓄積される。これは、必ず日本の将来に役に立つ。だから一位を目指す」と答えれば何の問題もなかったと私は考えます。

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