• 歴史・時代・伝奇

生存報告。

こんにちは。

暇がなくてご無沙汰しておりますが、生存しております。まだしばらく忙しそうでイヤになりますね。

『続三国志II』も次回が最終回、薛萬徹さんとのお約束も果たせそうで一安心、司馬業が死にますよー。

で。
久々に「二十六章 五胡の時代へ」にさっと目を通したのですが、◆を置いて注釈を加えようとした箇所を放置していたり、噴飯しました。

噴飯して最低限の手入れだけしました(笑

地理の検討も淡白になっており、渭城、茂陵、涇陽、霊台、霊武、長谷、遮馬橋とか、常なら嬉々として注釈をつけるところを飛ばしております。

諸事情により盆前に片付けるべく焦ったのもありますが、なかなかの手抜きぶりだと関心しました。このあたりは、また腰を据えて注釈を入れないといけませんね。

関中の地理は西魏と北周の調査で読み込んでいますし、いわばホーム。ちゃんとせねばなりますまい。

前作『通俗続三国志』も地味にPVが増えつづけておりまして、新しい方にも読んで頂けているようです。
ありがたいことですが、合わせて『三国志』ブランドの強さも感じますよねー。

最近、ちょいと調べる機会があったんですけど、ブログやホームページで漢文翻訳を公開している方は意外といますね。

質もさまざまですが、とっちらかっているのが難点。どっかの小説投稿サイトですべて引き受けたら読みやすいのになあ。
なんかもったいない気がしました。

またしばらく潜ります。
でわでわ。

10件のコメント

  • お久しぶりです。生存を確認できて嬉しいです。

    私も生きております(笑)

    また、東京に行って、今度は国会図書館で調査をしますよ。

    三国志後伝のサイト紹介、次の通俗続三国志・通俗続後三国志のtogetterまとめの準備も行いつつ、河東さんから紹介されたwikiの中国行政区画を見ながら、州郡の変遷を調べております。意外と調べると、嵌りますね。

    また、以前、謎が多かった日本における三国志後伝のマイクロフィルム関係についても、調査が進んでおります。村口書店→北京図書館の謎はまだですが、手は打っております。来年ぐらいにはまとめられるかもしれませんね。

    河東さんには頑張っていただいたことで、私の方も活動を続けていくことができました。

    wikipediaでは中村昂然さんの項目も作成しましたので、よければご覧ください。通俗唐玄宗軍談は、私が盛唐時代の概略を理解するのに利用していました。資治通鑑よりも小説の元ネタとして、よくまとまっていましたので。私もよくよく中村昂然さんとは縁がありますな。
  • まめさま

    こんにちは。
    バタバタの最中ですが、本日完結のため諸々の処理を進めております。

    〉中国行政区画

    おつかれさまです。
    南朝以降の行政区画は、名分を優先してとんでもない場所に豫州や荊州が出現しますので、かなり混乱しますが、西晋末くらいまでは素直なので助かりますね。

    いわゆる僑郡みたいのが出てくると「は?」となってしまいます。地名はあくまで地名という考え方が通用しません。

    あくまで南朝の領域が中華である、という空間認識が垣間見えますが、調べるには大迷惑です。


    〉マイクロフィルム

    東洋文庫由来とされるマイクロフィルムですね。
    この出典が村口書店→北京図書館の現物だとすべて明確になりますが、可能性は低いのかなあ。
    稀覯書だから村口書店から貸し出した可能性はなくもないのか。


    〉wikipediaでは中村昂然さんの項目も作成しました

    拝見しました。
    『通俗唐玄宗軍談』も中村昂然さんでしたか。
    唐代は『隋唐演義』もあるので、入手したものの未読になっています。西晋あたりと比べるとまだ知られていますから。

    それでは、跋をあげて『続三国志II』を完結させることとします。

  • お久しぶりです!

    国会図書館に行ってきました。
    また、村口書店と北京図書館のものが同一かどうかについての質問につきましても、大塚秀高先生へ手紙を送り、お返事もいただいています。

    お返事によれば、
     
     「中国通俗小説書目改訂稿の時では、推測に過ぎなかったので、-(線)でつなぎ、その後の増補中国通俗小説書目では、確認がとれたので、北平図書館・村口書店とつないだ」そうです。

     なお、凡例について、私が言及をしていなかったのは、私が国会図書館に郵送で複写を頼んだ関係が凡例の写しの指定がうまくいかず、凡例の存在を知らなかったためです。

     ただ、その根拠となる経緯は「長澤規矩也先生がどこかに書いていたと思うが記憶になく、手元に資料がないので分からない」そうでした。

    根拠資料は長澤先生の資料を当たるしかないのでしょうが、これで、村口本=現在の台湾本は、ほぼ間違いないようです。

    なお、国会図書館で、大塚先生の上記二書籍の凡例と参考文献目録の写しを取ってきたので、もう一つの謎である「上海本が上海図書館に存在したのはどうやって分かったのか」についても調べようと思います。

    まだ、収穫はありましたが、とりあえず、ここまでにします。失礼しました。
  • こんばんは。
    いや、バタバタの9月が終わり、10月もバタバタが続く感じです(泣
    例の件はもう少々お時間を頂ければ幸いです。

    村口書店→北京図書館→故宮博物院
    この流れは確定ということですね。


    〉長澤規矩也

    東大を出て法政大学に奉職されていますから、経緯をご存知でも不思議ないかも知れませんね。
    漢和辞典で知られますが、書誌学もかなり多作な方ですから、出典を探すのは骨が折れそうです。
    汲古書院から著作集が出ていますから、その書誌学関係の巻に目を通すのがいいんでしょうね。

    にしても、けっこうな量がありますが。。。


    〉もう一つの謎である「上海本が上海図書館に存在したのはどうやって分かったのか」

    たしかに、それまで国内では絶えたとされていたにも関わらず、上海本はまったく唐突に現れていますね。
    しかも、これまでの論文や書籍では触れられてこなかったようですし。中国で研究されているのですかね。

    ほかの収穫に期待せざるを得ませんね。
    ってか、論文にまとめた方が良いのでは。。。
  • >例の件はもう少々お時間を頂ければ幸いです。
    慌てておりませんので、ご安心を。お疲れになっていたのを心配しただけですから。

    >村口書店→北京図書館→故宮博物院
    >この流れは確定ということですね。

    そのようですね。世界で昭和6年以降確認されているのは二冊のみということになります。

    >長澤規矩也
    調べたら膨大でしたね(笑)。これは書誌学を勉強するつもりでいくしかないですな。ただ、大塚先生については手紙に電子メールアドレスが記載されていたので、調査報告はすぐにできますね。なんらかの進展がまたあるかもしれません。

    他の収穫は、https://twitter.com/mamesiba195/status/1046333137180012545

    こちらとその下のリプライで記載している通り、謎であった通俗続三国志の書籍がいかなるものであったかを調査したことと、国会図書館に村口本のマイクロフィルムがあったことを確認したことですね。

    兎屋誠という人を研究した論文がネットで検索したところ二つあるようです。これまた、面白いかもしれません。
  • こんばんは。
    ご高配、誠にありがとうございます。
    最近は体調がすぐれない上に多忙が重なってなかなか本サイトにも顔を出せません。

    ふー。

    なるほど、長澤先生の論拠はさておき、上海図書館は善本目録からでしたか。書誌学の仕事は、『漢書』芸文志や『隋書』経籍志のように後代になるほど重要性が増していきます。

    長澤先生は博学の士というに相応しい方ですから、著作を読んで損はありません。小川環樹先生は厳しい目で見られていたようですが、いずれも遥か雲の上の方々ですからねえ。

    あとは上海図書館本の由来が分かれば理想的ですが、地方の蔵書家由来なんだろうなあ。

    〉兎屋誠

    日本における翻訳が別に行われていた、という理解でよいのですかね。それなら、当時は原書が残っていた、ということかなあ。
    まあ、日本人は書籍を大事にしますから、残っていても不思議はないのですが。

    しかし、調べれば分かるものですねえ。。。
  • >日本における翻訳が別に行われていた、という理解でよいのですかね。
    いえ、松村操(春風居士)はただのライターですから、そこまではできないでしょう。タイトルも「通俗続三国志」ですし、設定から見ても、中村昂然のものを読んで、それを短くして紹介したものと思われます。

    中村昂然の名前を消していますし、志の高い良質な出版ではないですね。兎屋誠(望月誠)はあまり評判のいい出版人ではなかったようです。

    ただ、初めて和装本というものを手にとって、感慨はありました。和本というものに興味を持てましたね。

    原書が「通俗続三国志」という意味なら、現在も結構残っていますよ。
    ここを見ればお分かりになると思います。ここは画像のあるものも多く、便利です。古本でも扱っています。

    https://kotenseki.nijl.ac.jp/app/l/#%2Fsl%2Fsi%2F%7B%22keyword%22:%22%E9%80%9A%E4%BF%97%E7%B6%9A%E4%B8%89%E5%9B%BD%E5%BF%97%22,%22sortField%22:%22s.wid%22,%22sortOrder%22:%22acs%22,%22sz%22:20,%22fr%22:0%7D

    ciniiの方も参考にされてください。

    これもまた、まとめに使えそうですね。

    家にいて調べるだけで、昔の方の大変な調査に近いレベルのことができるとは便利な時代になったものです。



  • こんばんは。

    > 中村昂然のものを読んで、それを短くして紹介したものと思われます。

    あー、再録みたいなものですか。
    それはつまりませんね。


    > 和装本

    和綴じ本は手元にあるとなかなかいいですよね。
    美術品的な意味で。
    あまり読み込むと糸が切れて補修が大変です。
    今となっては実用品とは言い難いですねー。


    > 原書

    萬暦刊本の方ですが、再録では無関係ですね。


    今のところ、地理の調査でいっぱいいっぱいですが、
    そろそろ手入れを進めていかないとなあ。。。

    地図を見ていると時間がいつの間にかなくなるのです。
  • そろそろ、私の方も、次回のまとめが来月までにはできそうですね。

    内容は、通俗続三国志と通俗続後三国志の調査に関することです。前回の時はこの二冊に関する調査はまだまだだったので、今回はかなり詰めております。

    これ以上は、ある程度の専門的な知識か、それなりの手間を要しないと大きな進歩はないレベルのものになったのではないかと考えています。

    若い時に、通俗二十一史を読み、その時に抱いた疑問の多くを、河東さんたちのご協力を得て、私自身の手が解くことになったのは、大きな喜びです。

    まとめができましたら、また、ご報告します。

    >あー、再録みたいなものですか。
    >それはつまりませんね。

    確かに、再録のようなものですね。ただ、通俗続三国志にしても、現代で見たら冗長で、そのようなカットは、古典が洗練されるための一過程といえますし、河東さんの行われた超訳に通じるものがありますから、中途で終わったのは残念ですね。
    松村操は早逝したようですので、文筆家として大成して、晩年にあらためて、リライトされることがあれば、通俗続三国志はもう少し知られていたかもしれません。

    そう考えると、残念なところでもあります。

    >今のところ、地理の調査でいっぱいいっぱいですが、
    >そろそろ手入れを進めていかないとなあ。。。

    お疲れ様です。地理の調査は意義がありそうですね。

    ただ、私としては、本文内容に記載される概略の地図は、確かに読んでいる分には見やすく有難いのですが、あの内容は「やる夫」などで発展したもので、手間の割に、汎用性は低いと考えています。

    河東さんご自身の時間を使うほど手間を要する価値があるのかどうかは疑問に思っている次第です。

    もし、河東さんのお考えとして、発表されることもあわせて考えているのなら、リンクを貼った上での、通路をつなげた地図のサイト・ブログへの掲載などの方が意義が大きいのではと考えています。

    僭越な発言失礼しました。
  • こんばんは。
    地理も漠北が絡むといきなり難しくなります。歴史地理の古書はだいたいが高値になりますし。こういうのこそ電子書籍化してくれたらいいのに。。。


    〉これ以上は、ある程度の専門的な知識か、それなりの手間を要しないと大きな進歩はないレベルのものになったのではないか

    素晴らしいですね。
    思うに、このテーマは書誌学と江戸期の出版文化史の二面から掘り下げないと尽くせないため、難易度が高いものと考えます。
    次の方はこれまでの蓄積を利用できるわけですから、いずれ研究が進むことも期待できましょう。業績とは常にそういうものですし。


    〉若い時に、通俗二十一史を読み、その時に抱いた疑問の多くを、河東さんたちのご協力を得て、私自身の手が解くことになった

    巡り合わせです。
    それも、疑問を持ち続けられたがゆえのこと、疑問を抱え続けるといずれ解ける日も来ると先達は仰っていましたが、まさにそれですね。


    〉松村操は早逝したようですので、文筆家として大成して、晩年にあらためて、リライトされることがあれば、通俗続三国志はもう少し知られていたかも

    なかなかハードルが高いです。
    しかし、語り直し書き直して質が高まるのはご指摘の通り、やはり講談や口承文芸のように語り伝えられて形を変えることで質は高まるのですよね。
    せめて講談の演目に入っていれば、質もより磨かれたかも知れません。


    〉河東さんご自身の時間を使うほど手間を要する価値があるのかどうかは疑問に思っている次第です。

    そうですねえ。
    ただ、地理はちょっと調べるというのがなかなか難しく、分かりやすくしておきたいと思っています。特に縣を調べるのは大層に難儀ですから、読む方の努力次第というのもヒドイ話ですし。
    ただ、興味が拡散して芋づる式に調べ物が増えるのは困りますね。地名を軸にすると変な情報の集まり方をするのです。産物とか人気とか、ホントは一番ニーズがありそうですけど。

    なかなか思うようにはいかないものです。。。
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