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遅延とネタ。

こんにちは。
多忙というか、思考力を消費する系のタスクが多くてキャパオーバー気味です。知恵熱が。。。

翻訳って処理能力を消費するらしくて、キャパに余裕がないとスイッチ入らないみたいです。しかもオフにまとまった時間がなくて二重苦、手が遅くて三重苦というわけでして。

つまり絶賛停滞中です。誠に申し訳ございません。



移動中でザツな文しか書けないので、レビューお礼や最近楽しんでいる作品の話は次回に回し、たまには翻訳のウラ話でも一つ、ご査収ください。

『続三国志II』は「第六十一回 漢軍は計にて王浚を破りて退く」で戦闘マシン=祁弘を失った王浚は兵を返し、次回から場面転換です。
個人的にお待ちかねの曹嶷&夔安の黒莽坂の山賊コンビが屠伯こと苟晞と戦うんですねー。
うう、面白そう。。。

『続三国志』の名のある人物では、曹嶷&夔安コンビだけセリフに色をつけています。『続三国志』「第十八回 張賓は盗に遭いて陳元達を訪う」での初登場時のセリフはこんなでした。

二人は大呼して言う。
「お前たちは一体何者だ。財貨があるなら置いて行って通行料にしな。そうすればここを通してやらあ。もし断るんなら命を貰う。生まれ育った故郷があるなら、知らねえ土地で亡者になることもねえだろう」

伝法です。原文と初訳はこちら。
対比すると、やはり超訳ですね。

高聲大叫:「來者何人?若有財寶,快快留下,以作買路之錢,放你過去。若是半聲不肯,必然送命,枉作他鄉之鬼」
「お前たちは何者か。財宝があるなら通行料に置いて行け。それならば見逃してやろう。半句であっても拒むなら、打ち殺して見知らぬ地の死霊にしてやろう」

文語チックな感じだと山賊っぽくないんですね。なんかワルさを感じない。折り目正しい。ある意味、コッチのがコワイかも。
なので、伝法にしてみたわけです。
ただ、後段の「第百十八回 曹嶷と夔安は平陽に上って救兵を乞う」では漢主劉淵に見える場面がありましてですね。。。

その足で漢主の劉淵に謁見して上奏文を諸葛宣于に呈して言う。
「今頃、魏縣の城は晋の大軍に囲まれちまってまさあ。俺らは太子に言われて昼夜兼行、急を告げに参じたってわけで。一日も早く援軍と糧秣を送らねえと、太子も将兵も干上がっちまいますぜ」

漢主にも伝法を貫かざるを得なくなりました。普通に不敬罪ですよね、それ。
髭モサのオッサン間違いなしの二人ですが、けっこう特別扱いされたキャラだったりします。先に「個人的にお待ちかね」と書いたのは、つまりそーゆーことです。
超訳も超訳になるセリフを考えるのが、なかなか楽しいのですね。



とりあえず、「明日から本気出す」の精神で4月は捨て、GWに仕込んで5月から定期更新を再開しようそうしよう、とアタマを切り替えたというか、問題から目を背けたというか、そんな近況でありました。
引き続き、よろしくお願いいたします。

3件のコメント

  • 大丈夫です。こちらの三国志後伝のtogetterまとめと、
    中国語論文を反映してのwikiの充実、
    どちらも、なかなか進まない状況です(笑)

    これが私がやっている唯一の三国志ファンらしい生産的なこと
    なので、力をいれたいのですが、色々あってなかなか難しいですな。

    しばらくは更新を停止されるとのことですが、こちらも論文が届かなくて、コメントは控えているのでそれが有難いです。あのコメントは、一応、三国志演義研究の一環としてなされる正史との違いや演出の分析代わりのつもりです(笑)

    曹嶷と夔安に関しては、水滸伝の李逵や燕順などと同系統の口調を意識されているのだな、と分かりました。

    夔安は、史上では石勒の十八騎でその中でも重要な人物なのですが、三国志後伝で大きく扱いの変わった人物ですね。酉陽野史がこのコンビを気に入っていたためでしょうか。

    三国志後伝はまだまだ原石で、本来なら何度もリライトをされなくてはいけない作品ですので、楽しい改変は大いに結構だと考えております。
  • まめさま

    こんばんは。
    三国志ファンですか?ずいぶん外れてしまっているように見受けられますが(笑

    〉論文が届かなくて、コメントは控えている

    大陸の論文は大学図書館で借り出すのが早いかもですが、大学でも学部の力によりイマイチなところもあるんですよね。なかなか難しいです。


    〉水滸伝の李逵や燕順などと同系統の口調

    そうですね。あんまりご丁寧なのもアレなんで、少しだけアレンジしています。初訳はプレーンな方がいいのですが、こればっかりは。。。


    〉夔安

    最終的には太尉、太保にまで上り詰めていますからねー。しかも、作中で石勒は彼らに襲われた際に兄弟にはぐれていますから、複雑ですよね。
    このあたりもなかなか気が利いてんだか、気が利かないんだか、微妙な感じです。

    今週は更新おやすみなんですよー。去年9月以来はじめてかも。なかなか勤勉ですよね(笑
  • いやいや、かなり勤勉ですよ。洛陽戦は簡単にはいきませんが、一番つらい八王の乱は終わったので、もはや、慌てることはありません。

    三国志ファンは、元々、續三國志演義の関係から西晋・五胡を知り、資治通鑑を読んだわけですから、晋でも五胡でもなくて、やはり、自分は三国志の延長として楽しんでいるのかな、と思ってますね。

    正直、ネットでうかがえる五胡関係の方の人物評価が余り公正と思えないか、正史そのままの翻訳なので、純粋に楽しくはないのもありますね。やはり、嘘でも本当でも小説として人物像にあたった上で史実と比較して論じるのとは大違いです。歴史紹介と言いながら、その人たちの小説を史実と言われながら聞かされている感じがします。

    国会図書館から日本語の論文は届きました。川勝先生の「初期東晋政権の軍事的基礎」が手に入らなかったのは残念ですが、いずれはなんとかしたいです。司馬睿の江南行きが晋書に近いのか、司馬越が江南をおさえるために派遣したのが史実なのかは重要なところですから。

    また、中国語論文も安価で手に入り、送付してもらえるようになりました。こちらの方はもうすぐ紹介できると思います。
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