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水から出た馬。

こんにちは。
地味ぃに隙間時間で翻訳を進めてコーナンの戦は一段落、よかったよかった。十九章終わり。

で。

幕間っぽい二十章はいきなり遼東に話が飛ぶわけですが、隙間時間なのに翻訳がかなり早く進んでオドロキます。前章の牛歩はなんだったの。。。
翻訳も背後に広がる知識に絵柄を映しているわけでして、やっぱり地域的な得手不得手はあるんですね。

超訳とか言っているのは、逐字で訳しているわけではなく、古文を頭に入れて情景や意味に咀嚼し、それを現代語に置き直すやり方をしているからでして、そうなると、やはり知識がある地域のがやりやすいんですね。なるほどなあ。

河南から江南エリアはこれまで読み込んでこなかったので、やっぱり苦手でして、江南の比重が上がる『後編』は苦戦必至ですね。。。

今のところ、河北乾燥地帯なのでわりかし楽に訳しているおり、「水を得た魚」は変だから「水から出た馬」状態なんだなあ、と思いました。
ホント、長江沿岸以南の知識はどうしたものかなあ。『南史』あたりの本紀を通読するしかないかなあ。。。

4件のコメント

  • 江南が苦手なのは、私と同じだったのですね。

    東晋関係の論文は、ciniiで検索してダウンロードしました。五胡十六国の論文とは比べものにならないくらい豊富ですね。地味にこつこつ読んでいきます。

    次は、遼東、慕容氏ということで期待ですね。通俗続後三國志は、慕容翰・慕容皝・慕容仁兄弟の仲の良い姿が見ることができるという貴重な軍談ですから。その後の兄弟の仲違いを資治通鑑で知り、びっくりした記憶があります。

    特に私の期待は、ネットの論評で、嫌われ者な上に、息子に軍事的功績を吸われまくりの慕容皝ですな。慕容恪の覚えが全くない評価を調べた時、あまりの不当な扱いをされていることに気づき、それで同情して、贔屓になっております(笑)
  • こんにちは。

    〉江南

    まめさんも同病でしたか。
    河北は特に唐代の交通史は一時期盛んに行われ、近年は出土史料から漢代の駅制度の研究も進んでおりますね。
    一方、江南は水運の存在が大きいので、漕運史に踏み込まないと地域の関係性が見えてきません。
    廣州から彭湖に抜ける道を認識できてなかった事例なんかは、廣州在住のははそさんから見れば噴飯モノだと思いますが。。。
    青木正児や青山杉雨の江南旅行記なんかも読んだんですけど、興味が地理より他の文化的な面にありますから、あまり情報がないのですね。


    〉東晋関係の論文

    六朝史と総称される南朝の研究は盛んですね。
    興味が北魏末から隋に集中していますので、知らんぷりをしております。宮川尚志『六朝史研究』をようやく手に入れたくらいですから、まあやる気なしモードです。
    蕭衍なんて宇宙大将軍サマの引き立て役ですよ(暴論)。
    マジメな話、呉から東晋成立の間に形成された北方名門と在地土豪の連合体という性格は、隋に覆されるまで本質が変わらなかったわけで、漢文化そのものが遊牧要素の摂取により変質していった河北と比して興味が薄くなります。
    唐の構成上、文化的には生粋の漢文化を保存したことによる重要性はあり、隋や唐に入ってからのが江南の存在感は増していく印象があります。
    だから、賀抜勝と梁武帝を絡めるのはやめましょう。


    〉慕容皝

    そうですか。
    慕容と言えば紹宗と返すのが北魏末の作法です。
    慕容部の初期は詳しくないので、訳して楽しいですよ。『通俗』では文武に秀でた人物という印象ですね。
    ただ、兄弟揃って有能というのも困りモノでして、それに遊牧民特有の末子相続や兄弟間相続が絡むと大体が血を見る結果になります。
    北齊や北周にも見られますが、兄から弟への歪な権力継承が禍根を残しています。
    司馬氏もその目で見ると、司馬師と司馬攸はやはり無視できない存在なのですね。
  • >江南は水運の存在が大きいので、
    >漕運史に踏み込まないと地域の関係性が見えてきません。
    >あまり情報がないのですね。

    江南は発展が著しいので、三国時代から来た人が分かりづらいのが難点ですね。隋唐でも安史の乱を含めて、激しい戦乱は南方まではなかなかないですから。ここにスポットライトがあたるのは、六朝の特殊な歴史事情によるものですね。

    >漢文化そのものが遊牧要素の摂取により変質していった
    >河北と比して興味が薄くなります。

    私もです。南朝は貴族政治の陰湿な感じであまり興味が持てません。西晋から直情が、呉から素朴さが失われた感じでしょうか。政治としては洗練されているのでしょうけど。

    >慕容部の初期は詳しくないので、訳して楽しいですよ。
    慕容部の初期は史書では詳しくないのに、三国志後伝の脚色はかなりのものがありますな。慕容部のところは、成漢と同じく爽快な感じを受けます。

    >兄弟揃って有能というのも困りモノでして、
    >それに遊牧民特有の末子相続や兄弟間相続が絡むと
    >大体が血を見る結果になります。
    慕容部は優秀な人物が多すぎですからな。そういう血を見るような事態を避けたという人格というだけなら、慕容恪のあのネット上の評価も理解できます(笑)
  • こんばんは。
    明後日に第五十五回をあげられるか微妙な感じでウゲエってなってます。

    〉江南は発展が著しい

    呉越の頃は僻地もいいところだったようですが。蜀もそうですが、割拠により地域の開発は進むのですね。江戸時代の藩もそうでした。


    〉南朝は貴族政治の陰湿な感じ

    陰湿もいいところですよね(笑
    王朝最後の皇帝がみんなテンプレ的暴君とか、そんなわけないですし。そのあたりからも王朝の実権は貴族層の制御下にあったように思われますね。


    〉慕容部のところは、成漢と同じく爽快な感じ

    建国物語はなんか爽快なんですよね。その後は落ちる一方が大半で。ドラクエはレベル18くらいまでが面白いのと同じような感じでしょうか。


    〉慕容恪

    慕容皝の子、慕容廆の孫ですか。ネットを見る限り、なかなかの名君のようですね。史書はどのようになっているのかなあ。
    このあたりは『晋書』が二次史料的な正史であるだけに、史書の記述=史実と単純化できないのですよね。唐から見たバイアスがありますから。
    んまー、新出史料に頼るしかないわけですが、『十六國春秋』を石に刻むなんてこたあないんでしょうね。国史事件みたく。ないか。ないな。
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