高柴沙紀

妻の位牌に手を合わせる俺は、浮かれていた。 ようやく今日、コロナ禍で会うことが出来なかった孫が、初めて家にやって来るのだ。 ───なあ、君も喜んでくれるだろう？

海岸線の全てが『大人数百人分の』深さである断崖絶壁で分断された大地と海。その海の底から満月の夜ごとに襲撃してくる白銀鬼と呼ばれる美しい異形と、人間とクリートと呼ばれる人間に限りな…

そして、彼女達がやってくる

勇者の召喚は、私達にとって必要なのよ。だから、可哀想な彼を愛してあげなければね。

かつて『魔法使い』の派閥同士の闘争が、手違いか、あるいは確信犯的にか、表舞台に晒されるという事件があった。 その際、偶然巻き込まれ瀕死の重傷を負った警察官、仁尾明彦は、否応もなく…

───ああ。彼女だ。 ずっと探していた。 ずっと会いたかった。 あの子だ。 彼女に記憶があるかどうかは、わからない。 彼女が信じてくれるかどうかも、わからない。 それでも。 今…

あまりにも、世間の様々な物事のスピードが速いから。 どこかで、こんな会話がされているとしても……もしかしたら不思議ではないのかもしれません。

失踪宣告が成立した従兄の部屋で、猛と和樹が見つけたのは、複数の手紙。 そして、『彼女』だった。

言葉は、意外と怖いですよ？