【氏名】たかぱし
【解答欄】わたくしはつらつらと上手い文章について考えようとしていた。しかし考えてみようとすると上の方、耳の横ら、どうやら頭のなかとおぼしき辺りから、カラカラカラ……カラカラカラ……といふ不可思議な音が響くのである。カラカラカラ……カラカラカラ……。どことなく不気味なようでありながら愛嬌を覚えると言えなくもない、そんな音であった。とうとう幻聴が聞こえるようになってしまったかと気鬱に思ってもみたが、しかしよくよく考えてみれば実際に脳ミソがカラカラなどと音をたてている人間よりかは幻聴を聞いているだけの人間の方が清々しくマシではないか。そう思えばわたくしにはもはや悩みなどないのだった。つまり上手い文章とは、こういう文章ではない文章であると思う。あ、やべ、全然文字数規定に足りない。そしてふざけてるうちになにを書きたかったか忘れた――少なくとも上手い文章と上手い小説は別問題だと思いました!え、それは聞いてない?