https://kakuyomu.jp/works/16817330656927273343/episodes/16818093087403754090 森に囲まれたハルマの住処は天然の迷路である。
複雑に入り組んだ地形に生い茂る深く長い草々木々。閉塞された環境と辺り一帯から聞こえる様々な生き物の声は方向感覚を狂わすのにうってつけの環境で、来るものを拒む理想の砦となっているのであった。
そこを攻略するのか……
考えるといってしまった手前策を講じぬわけにもいかず、自室に籠って頭をひねる。しかし一向に煮詰まる気配がない。上記のように攻め入るのは困難だしハルマの連中は殺しの術に長けているうえ躊躇もない。戦力、兵数、情報、練度、攻略するにあたってあらゆるものが足りていなかった。
三国志みたく戦象でも使うか? いや、あんな巨体が足場の悪い場所を進めるものか。立ち往生して的になるのがおちだな。