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和を以て貴し8

https://kakuyomu.jp/works/16817330656927273343/episodes/16818093081496281541


 集ってくれた彼らにはリューバ討伐とその意味を説明した。狩猟で成果を出しオコト達を引き入れる算段。これを快く承諾。「奴らの気持ちも分かるが見捨ててはおけない」という意見で全会一致となり士気もみなぎる。やはり、皆同じ気持ちなのだと嬉しくなるも、死地に向かわせているという側面も忘れてはならないと思い出して自らを戒める。




 俺は自分のエゴで無関係な人間を巻き込み死ににいくんだ。




 綻びかけた顔を締める。そして自問自答。本当にこれでよかったのか、他に道はなかったのか、軽はずみな選択をしてしまったのではないかと何度も考える。また俺のために罪のない人間が死ぬのか、見切り発車のまま進んで失敗したらどうするのだ。集落の一員である人間を優先し、猟師達は捨て置いた方が懸命だった。なぜこんな事をしたのだろうと。



 思えばずっと繰り返しこんな悔恨ばかりしている気がする。考えなしに走り後悔。まるで成長していない。馬鹿は死んでも治らないを地で実証しているわけだ。笑えもしない。

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