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カップ麺の起こした小さな奇跡杯 ~ファイナル~結果発表!


 光陰は矢のごとし。時が流れるのは早いものです。
 二〇二一年も気が付けば大晦日。
 今年もコロナと共に歩む一年でした。決して明るいニュースばかりではなかったと思います。されど緩やかながら世界は回復に向けて動き出しています。私の好きな映画の台詞を引用して今年を評すれば「夜明け前が一番暗い」という奴でしょう。
 時は流れゆくもの。良くも悪くも留まりはしないのです。
 そう、ふと気が付けばもう赤いきつねと緑のたぬきコンテスト終了から十日が過ぎているではありませんか!? おやおや、企画主催者さんは冬眠にでも入ったのかな? 
 年末忙しいからね、仕方ないね。

 お待たせしてしまい、大変申し訳ありません。
 それでは「カップ麺の生んだ小さな奇跡杯~ファイナル」の結果発表です。
 今回の入賞は以下の三作品とさせて頂きます。
 おめでとうございます!

旅立ちの船/葛西 秋
https://kakuyomu.jp/works/16816700429580178773

赤いきつねと緑のたぬきと青いほしと愛のははと黄いろいうさぎ。/ナカノ実験室
https://kakuyomu.jp/works/16816927859134932449

私の赤い救世主/If
https://kakuyomu.jp/works/16816700429434372625


 いつものことながら、参加作品に目を通していると価値観の多様性というものには驚かされてばかりです。幸せの定義は人によって異なり、それに順位をつけようなどとおこがましい行為ではありますが、僭越ながら私の独断と偏見により決めさせて頂きました。
 決して賞がもらえなかったからといって必ずしも作品の優劣を示しているわけではないのでお忘れなく。読み手によってどの幸せに共感できるかは異なるのです。
 それでも入賞の理由を語るならば、技量、センス、発想が(私の物差しで測れる限りでは)優れていたからとどうか言わせて下さい。
 やはり人の目を引き付ける為には上記の三点を磨く必要があるのです。
 工夫とは「何とかして読者を楽しませたい」という思いから生まれるもの。
 その工夫は作品のオチや、没入感の高い冒頭や、細かい台詞や描写の一字一句から読み取れるものなのです。四千字という短編だと語れる範囲に限度がある……本当にそうなのでしょうか? 俳句や短歌や川柳はそれよりもずっと少ない文字数で独自の世界観を構築しているのです。極限まで作品を磨き上げることであるいは限界を超えられるかもしれません。お互いに更なる高みを目指し、これからも精進していこうではありませんか。

 今回も私の企画に沢山のご厚情を賜り、感謝に堪えません。
 作品を提供して下さった皆様、また企画の参加作品を読み、評価して下さった読者の皆様には、心より御礼申し上げます。
 皆さま新年が、良い年でありますように。
 どうぞ良い年をお迎えください。

 来年もまた一月より新作や更新、新たな企画を立ち上げていきたいと思います。
 恐らくカクヨムコンの短編新作関連になるでしょう。
 ご多忙中とは存じますが、ご助力いただければ幸いであります。
 来年度もカクヨムと一矢を宜しくお願い致します。

※ ミスはなかったと思いますが、質問等がありましたら近況ノートのコメント欄にお願いします。皆さま、お疲れ様でした!

4件のコメント

  • 読んでくださった上に、とても丁寧なレビューをくださったこと、そして賞に据えて頂いたこと、本当に嬉しく思っておりますし、大変光栄です。ありがとうございます。
    これを励みにまた研鑽して参ります。今回は本当にありがとうございました!
  • 企画賞への選出、ならびに、とてもすてきなレビューを書いていただき、ありがとうございました!

    若くして才能を持った作者の方が多いここカクヨムで、少々人生の先輩として差別化を図ってみた描写の視点を評価して頂き、大変うれしく思いました。

    一矢 様が述べられているように、様々な作品が本家「赤たぬ」コンテストに寄せられており、読んでみて勉強になることが多々あります。

    カクヨムに入りびたりの今年一年でしたが、最後の最後に一矢 様から素敵な評価を頂き、嬉しい気持ちで新年を迎えることができます!ありがとうございました!
  • >Ifさま

    短いながらも、主人公がなぜ泣き出してしまったのか。見知らぬおばさんがなぜ声をかけてくれたのかが良く表現されており、共感できる内容に仕上がっていました。手抜きではなく極限まで無駄をそぎ落とした結果の文字数なのだと。

    自分の中には「四千字のコンテストならギリギリを攻めなければいけないんだ」みたいな強迫観念があって、ずっとそれを守り続けていたんですが……こういうのもアリだなと目から鱗が落ちた気分でした。
    素敵な作品をありがとうございました。その実力をこれからもカクヨムとご自身の為に役立てて下さい。もしご縁がありましたら来年の企画も宜しくお願い致します。
  • >葛西 秋さま

    いやー、お世辞抜きで素晴らしい技量とセンスを感じました。
    泣いている人たちの詳細な事情までは語られない所が実に良かったです。
    彼等の友情を主軸に添えていたら、恐らくこの作品は特徴のない平凡な作品となっていたのではないでしょうか?

    見せ方ひとつでこうも変わるものなのですね。
    まさにベテランにしか出せない熟練の技と言えるでしょう。
    私も見習いたいものです。

    今回のコンテストでは「幸せの概念は性別年齢環境によって異なる」という事実を再認識させられましたね。若人にしか出せない熱量や勢いも素晴らしいが、巧みな技もそれに負けない価値があるものです。そうした在野の達人と出会いたくて私はこの企画を繰り返しているのだと思います。
    本当にありがとうございました。

    もし機会があれば来年の新企画も宜しくお願い致します!
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