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私には、夢があります(オタク的)。

 白い衣をまとい、白い翼をもち、愛らしい少女の姿をした天使が、手を前に組み、穏やかで優しく慈愛に満ちた微笑みを浮かべて佇んでいる……そんな絵が、秋葉原の大きなビルの壁面を飾っているという夢です。結婚もできなかった私に美しい夢や生きがいをくれた、SFやアニメ・ゲームに恩返しがしたいという気持ちもあります。

 訪日した外国の人がその名を聞いたら驚いてしまうかもしれませんが、すでにもっとバチ当たりな設定のフィクションや、ドキュメンタリーさえ沢山ありますし(こらこら! [笑] )、内容を知れば展開はともかく、主題は公正だと理解してくれると期待したいですし(なんだか自信なさそうだな [笑] )、逆に正しい西洋文化を普及する機会だと捉えてもらえるかもしれないし(お前は回し者か! [笑] )、ギャップ効果で感心してもらえたら嬉しいかな(かえってあざとい! [笑] )、と ……。

 西洋神話に題材をとったのはまず、劇的な効果を高めるためでした。また、舞台が浮世離れしていた方が、現実の社会に関係する論争の恐れが少ないと思ったこともあります。善玉を悪魔の名にしたのは、悪魔の方が個性が豊富で色々演じさせやすく、悪玉を天使の名にしたのは、天界のように栄える文明でさえ、課題を解決し損なうと大変なことになる、ということを描きたかったからです。戦犯裁判を書いたのも、今では戦後処理のお約束だからです。

 実際、西洋神話は様々な素晴らしい芸術の素材となっていますし、知恵の木の実の話なども、人類の本質をよくつかんでいて、科学技術は善にも悪にも使えてしまうととか、それを食べると人間は神に近づいてしまうとか、普遍的な文明の課題を予言しているようで、真に西洋神話恐るべし!と感じつつ使わせていただきました。

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