いつもお世話になっております。
モノクロ・ディストピアの1話の一部抜粋です。
生成AI 系の話(フィクション・ファンタジー)なので好き嫌い有るかな……と。
なので1話チラ見せします。
◆ 第1話 抜粋・チラ見せ ◆
「綾香おはよう……って、また書いてるの? 」
私は慌ててノートを閉じ、鞄の中に押し込んだ。黒く長い前髪をかき分けて、友人の玲奈を見上げる。
「お、おはよう」
私は有坂綾香、16歳の高校生だ。髪は少し伸びたものの、未だに中学生に間違えられる。玲奈は呆れ顔で私に言い放った。
「小説なんて簡単に書けるじゃん。時間の無駄だよ」
その言葉は私を静かに刺し、思わず目を伏せた。
今や小説はWEB上で誰でも簡単に生成できる。望む展開、いくつかのワードと好きな作品を設定すれば自分好みの作品……いや、文字の羅列が生成される。
私はそれを好きになれなかった。
だから、私の父がそうだったように、自分の考えた物語をノートに書き溜めて密かに楽しんでいた。
◆
昼休み。私達は渡り廊下で、校庭を眺めながら話していると、木陰でスケッチしている男子生徒が見えた。
「あの人、何か描いてる」
「あぁ、神木先輩ね。理事長の孫で変人だから絡まない方がいいよ。旧校舎にいつも居るみたい。あ、旧校舎も行っちゃダメだからね?」
「うん、覚えとく……」
返事とは裏腹に彼に興味が湧く。
こんな時代に絵を描いてる人が居るんだ。どんな絵を描いているのだろう?
◆ ◆ ◆
11/29 21:30公開です。
興味がございましたら、どうぞよろしくお願いいたします。