鈴代なずな

■０ 「お前は、呪いの子だ――」 　少女はそれを聞いていた。 　目の前の男が、少女をじっと見つめている。少女もじっと、それを見つめていた。 　狂った瞳。絶望し、失望した――”赤”…

殺し殺され愛故に 殺され殺し愛故に 殺す以外に能がない 哀れなお前と笑っておくれ それでは綴っていただきましょう、殺し屋

ネノンは全くの一般的な女児であり、そこになんらの違和感や猜疑心を覚える必要もないが、少なくとも彼女を取り巻く環境というものは、彼女と全く関わりにならない大人たちが、もしもそれを目…

王は言った。王だから竜巻に吹き飛ばされたりするはずがないと。 そして王は竜巻に吹き飛ばされた。 妖精は言った。これは勇者の予感だと。 そして勇者は現れた。なんか地球で棒切れを振り…

　世間では、ある噂が取り沙汰されていた。 　メサイアと呼ばれる少年―― 　それは悩みを抱え、助けを求める者の前に現れ、幸福へと導いてくれるのだという。 　どこから発生した話なのか…

　エクセリスという秘宝により、あるとき突然に人間のような知性と、人間を遥かに凌ぐ力を手に入れた獣たち。彼らは獣人と呼ばれ、その力でもって人間を迫害し、辺境へと追いやった。 　そう…

冒険者ギルドの中で最も過酷な、しかし花形といえば――『同行員』と呼ばれる役職だった。 同行員はその名の通り、依頼を受けた冒険者に同行し、彼らが依頼を遂行する様子を記録するのだ。 …

　ある古ぼけた家の中には誰も住んでいないと言われているが、暗澹たる恐るべき邪悪や怪物の類を信奉する一部の奔放な夢想家は、そこになんらかの生物が潜んでいることを紛れもなく信じ込んで…

魔王を退治するため、ついに魔王城にやって来た勇者。 しかしそこで見たのは、なんと…… 「そうだ、死んでしまおう」 自殺しようとする女の子こと、魔王の姿だった！ ナイフを持ってえぐ…