とうとう明日が『炭酸水と犬』『アパートたまゆら』の発売日となりました。
陣痛の始まった妊婦の気分です。
どうやら今夜はプロデビュー・イブということになるようです。
プロだろうがアマチュアだろうが、商業出版だろうが自費出版だろうが私家版だろうが、誰かの心を打つ物語をつくりだす行為は尊いとわたしは思っています。
これからも、自分の芯にあるものは何も変わりません。
書きたいものも、読みたいものも。素敵だと思うものも、目指したいと思う場所も。
しかしながら、本当に何も変わらないと言ったら語弊があると思うのです。
たとえば、わたしの振る舞いがわたしだけで自己完結するわけでないということ。
KADOKAWA様の名を冠し、たくさんの方々の手を通って世に送り出される商品について、責任が生じるということ。
プレッシャーはありますが、でも版元様と連携してゆけるというのは大変心強いことでもあります。
何とかして成功者の足を引っ張ろうと、いくら叩いても出ない埃を出そうとうずうずしている人たちもこの世にはいますので、どうしても。
これからどうなるんでしょう、全然わかりません。
しかし、発売前からこんなに話題にしていただける小説というのはそれほどたくさんはありません。体感的に、それだけは言える気がします。
少ない自由時間をやりくりしてこつこつ書いてきたことが種まきだとするならば、今はまさしく収穫期。
しかし、次の種を植えて手入れしてゆかなければ、畑は痩せてしまいます。
豊かな畑をキープしてゆきたいです、これからも。
その実りを共に喜んでくださる方々に、心の底からお礼が言いたいです。
そんなわけで、これからもどうか砂村かいりをよろしくお願いいたします。
常識的なコミュニケーションの範囲内であれば、どういったお声がけも嬉しいです。
「語彙力なくてすみません」も「お目汚し失礼します」もなしで、軽率に話しかけてください。
そのほうが、わたし、砂村かいりなんだ!という実感が湧きますので。
自分にとって人生の節目である明日という日が、応援し祝福してくださる皆様にとってもあたたかで幸せな日となりますように。