【注意】
この近況ノートの内容は、私が書いている小説『彷徨いし魂を求めて』の内容に深く関わります。
このノートを読む際は、第四章[王都編]を読み終えてからを推奨します。
──エスタミア王国。
かつて3人の剣士がそれぞれ龍を倒し、国の危機を救った。
その功績を称え、未来への糧とするべく、当時の王は“三龍剣”という制度を作った。
兵士を育てる学園があり、卒業時に魔物を討伐して王へ実力を示す。
その際、剣を扱う者の中で、単独で龍を討伐した者。その上位3人が、国王直属の護衛である“三龍剣”となるのだ。
単独で龍を倒せる逸材は少なく、三龍剣が3人揃う方が珍しい。
そして今現在、三龍剣のメンバーは次の3人である。
“飛龍”レイン=ルルセイナ。強靭な足腰で空中戦を得意とし、空高く飛翔する龍を討伐して見せた。
“臥龍”ソーマ=スペシオス。小さな体躯と素早さを活かし、超低姿勢で戦う。大地を駆ける龍を討伐して見せた。
そして“驪竜”ログヴァナ=キリュウ。龍の中でも上位種である黒龍を討伐した、三龍剣最強の男────だったのだが。
今は旅へ出てしまい、三龍剣は席が空いてしまった。
そこへ入ったのが“雲龍”カストロ=エディス。巧みな歩法に多彩な技を使い、空気が薄く濃霧に囲まれた過酷な環境で、龍を討伐した。
……そんなカストロも、先の戦いで亡くなってしまったのだが。
──さてそんな三龍剣だが、そもそもの話、候補者が少ない。なので減ってしまうと穴が目立つ。そして定員がたったの3名なので、逆に多過ぎると持て余すのだ。
そんな厳しい条件の中……三龍剣候補だと謳われていながら、結局は卒業時に結果を出せず、兵士にもならず国からフラッと消えた者がいた。
「いや〜、俺ぁちゃんと龍を倒したんだぜ?」
「ほう、しかし認められなかったと?」
「……不思議な奴だった。俺は確実に倒したはずだったんだ。けどな……」
「ふむ……」
──付いたあだ名は“幻龍”。
現在、旅をしている“驪竜”ログヴァナ=キリュウ。
そして、行方の知れぬ“幻龍”。
この2人は今後、秋人たちの旅へどのように関わるのか。