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どうして沖縄の基地を本州に移せないのか?

長年に渡って論じられてきた『沖縄基地問題』

まず事実として、沖縄県には狭い面積に米軍や自衛隊の基地が集中しており、沖縄県民は大きな負担を強いられています。

それは、紛れもない事実です。

そこで多くの人が疑問に思うであろうことが、なぜ沖縄に基地が集中しているのかということです。

もちろん、本土決戦(沖縄戦)の際に米軍が設置した基地がそのまま残っており、今更移設することが難しいというのも理由の一つではありますが、実際の理由は、多くの人が考えている以上に単純です。

そこに必要だから。

沖縄の基地問題を軍事的観点だけで見れば、その一点に尽きます。

もちろん性暴力や犯罪、環境汚染などの問題もありますが、その話をし始めると、米兵による大規模なボランティアや地域貢献活動、基地の持つ経済効果などにも触れないと不公平になってしまう上に、それらは既に多くの人が知るところとなっているので、ここでは割愛します。

沖縄に集中配備されている対空ミサイルや対艦ミサイル。それらは、『民間人を助けるためのものではなく戦争のための物で、物騒だから早く島の外に出してほしい』と評価されることが多いです。

ですが、これらの兵器は、多くの人が思っているほど万能ではありません。

代表的な対空ミサイルであるペトリオットの射程は60キロメートルほど。これでも対空ミサイルとしてはかなり長い方なのですが、沖縄県と鹿児島県の間には700キロメートルもの距離があります。

世界でもごく一部の対空ミサイルは200キロメートルの射程を持ちますが、それでも足りません。

沖縄の土地を空の脅威から守る為には、どうしても沖縄にミサイルを置いておく必要があるのです。

ちなみに、東京都にはペトリオット部隊が常時展開しています。その理由はもちろん、都心から離れた場所に置くとカバーしきれない範囲が出てくるからです。

その上、沖縄は理性的とは言い難い隣国と睨み合う軍事的な要衝でもあります。

攻撃のリスクが高い場所に、攻撃を防げる手段を置いておくのは当然でしょう。

そうなると今度は、『沖縄には少数のミサイル部隊だけ置いて、海兵隊のような地上部隊は本州に行けばいいじゃないか』という人がいるかもしれません。

ですが、高価なミサイルを守備できる十分な兵力が無ければ、少数の特殊部隊によって地上から攻撃されてしまうので、ある程度の地上部隊は沖縄に残る必要があります。

さらに、兵員の輸送や民間人の救助に使用されるヘリコプターの飛行距離もそこまで長くないので、やはり領空、領海侵犯を繰り返す中国軍を牽制するためには、沖縄にある程度の陸上部隊を置いておく必要があります。

もちろん、米兵たちも沖縄県民の反対は知っていますし、ほとんどの米兵は人殺しの野蛮人などではなく普通の人なので、自分たちの活動を一方的に罵られることには苦慮しています。

お互いが気持ちよく生きていくためにも、今後は犯罪や環境汚染などの問題を、いかに解消していくかが重要となるでしょう。

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