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表層

 いままでナチュラルに表層なる言葉を使ってきましたが。
 これはなにを意味するのか、整理しておきたいと思いまして。
 もっとも私もこの概念についてはくわしくは知らないのですが。

 一言で表すと、情報格差です。
 原神がナドクライを実装した理由のようなものですね。

 第一に、万人に情報が正しく伝わる・理解させられることは、絶対にありません。
 スクショを一つだけ見て、前後の文脈を無視して、ここはこういう話をしているのだと決めつけ、間違った解釈をするなんて、ザラにあります。
 考察をやろうとしている人でこれなのですから。


 つまるところ、表層なるものは、存在します。
 作品に表すと、どうなのでしょう。
 進撃の巨人は絶対にあります。
 あれって、壁の内と外で完全に世界が違うんですよね。壁の外がどうなっているのかを知っている人と知らない人で、分かれます。
 ネタバレ要素が多い影響で、ダンガンロンパみたいになっているんですよね(ネタバレ防止的な意味で)
 ですからまあ、ライト層は一期の印象で留まっている可能性が高く、終盤の展開は想像できないのではないかと。

 ONEPIECEも若干この傾向があり。
 まあ、基本軸は大丈夫でしょうけど、世界観の構図だとか色々。
 なんとなくですけど、一般層はヘキサゴンのopのようなイメージを持っていそうです。


 こんな感じですが。
 情報格差の面に起きましては、考察勢かそうでないかの違い。
 わかりやすく言うと、伏線を見落とすか否か。情報・設定を覚えているか否かも大きいのでしょうか。

 ここらへんを言及すると脱線しそうなので、直球で言いますと。
 普通の人は散らばった情報を脳内で結びつけることは難しく、説明されていないことを、自分なりに解釈して飲み込むことはできないのではないか。
 くわえて、人は事実や結果よりも印象や雰囲気に引っ張られる傾向になる気がします。

 これを前提としますと。
 一人のキャラに関しても、認識の齟齬が生まれます。
 フレーバーテキストやNPCの台詞など、情報が散らばっているのも、そうですが。
 キャラクターストーリーをしない、プロフィール欄を見ない、イベントをやらないで、キャラの異なる一面や知られざる過去が伝わっていない。
 こういうことは、容易に起こります。

 つまるところ、表層だけで成立しているキャラが生まれるわけです。


 これは別に悪いわけではありません。
 むしろ、表層で成立するにこしたことはありません。

 次はこの項目について話したいのですが。

 表層で成立するキャラ、しないキャラの違い。

 私は表層(ガワ)がミスリードになっているか否か、導線が繋がっているかで分かれていると感じます。

 比較しますと。
 表層で成立するキャラはダブルフェイスもしくは、2面性があるキャラです。
 どちらの面も真実。
 ゆえにこそどちらか片方の面だけを見ていたとしても、成立する。

 私の中でこれは確定だろって思うのは、怪盗キッドです。
 このキャラは同一作者の別作品から持ってきたキャラになります。
 ライト層から見れば、「キッド様」「かっこいい」キャラ。
 コナンガチ勢からしてみれば、「ゲストキャラ」
 まじっく快斗勢からしてみれば、「黒羽快斗」実は三枚目キャラ。

 こういう風に見え方が異なります。
 でも、どの目線でも間違ってはいない感じ。
 なんの説明がなかったとしても、キャラとして成立し、魅力を感じます。


 あとはメインキャラにありがちなのですが。
 基本軸・ベースとして外向きのキャラが設定されます。しかし、深層はこういうものだったという風に。
 掘り下げられると違う一面も生まれるタイプ。
 これも、表層で成立していると見て、いいでしょう。



 逆に、表層で成立しないキャラは、「分からない」となります。
 これは表層と中身が乖離し、ギャップがあり、うまく結びつかないと矛盾が生じ、ブレブレに見える案件ですね。

 例を出すと、実はいい人なキャラを描きたいとしても。
 表面上のミスリードが強すぎると、善行をしても「???」となり、筋が通っていないとみなされる。
 要は、うわべだけの要素を取ると、ただのクズに見えるキャラです。

 これがなにが問題かといいますと、キャラの中身・核が奥に入っている点。

 劇的にどんでん返しを決めるのならまだしも、シームレスに曖昧なまま移行されると、混乱します。
 初手例外も同じく。
 読み手が表層に留まりそういうキャラとして見ているのに、作中では違うものとして描くわけですから、そうじゃないだろと反発も起きます。

 裏切りキャラは基本、表層が打ち消されやすいのでいいのですが、実はこうだったんだという認識を得られないままだと、厳しいなと。

 いちおう市丸ギンあたりは表層で成立しているキャラだと思いますが。
 うちはイタチはどうだろう。真実の要素が強すぎるので。保留です。

 肝心なのは、言行に矛盾が生じないか、やりかいことが分かるかです。はい。

 反対に、表層がノーマルであるにも関わらず、深層部分に引っ張られて打ち消される事例もあります。
 これは表層でキャラが成立していないに含めていいでしょう。


 要はこれ、認識の齟齬によって起こる事象なんですね。
 表層が悪いというより、構成に問題がある。

 表層だけで成立しているキャラは、表:プラスと、裏:プラス。
 成立しない場合は,表:マイナス、裏で合わせてプラマイゼロ。

 一度、そういうものとして固定されると、挽回が難しいので。
 うまい具合に撤回してリセットする必要があります。

 このあたり、ONEPIECEはうまい印象があります。

 表層の中身は、パプリックイメージ・第一印象・固定観念・ミスリード・記号・属性あたり。

 こんなところでしょうか。

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