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『錦夏交遊録』 梓くんについて

 お題『文鳥』にまつわる第三話。夏どころか晩秋、文鳥どころか真雁の話になっていた回でしたが、今回登場した「梓くん」もまた、私のペンネームである「雁景」から着想して擬人化したキャラクターとなっています。

そんな梓くんのデザインはこちら(Twitter)▼
https://twitter.com/84mo_2kau3/status/1675837928302612480?t=yS6AscLLp96CGLmqf-_piw&s=19

 梓くんは自身の秋概念やペンネームから着想したとは言え、背景を持たせて作ったキャラであり、行動の設定や、梓という名前の由来は以下の通り。

 前漢の時代、虜囚となってしまった人が雁の足に手紙を括り付けて放ち、それが都へ届いて無事に帰還できたというお話があります。そこから転じて、雁は手紙を運ぶ人、手紙そのものを表す存在にもなったこと。
 このエピソードが元になった言葉に「雁書」があり、さらに「雁の使い」「雁の玉章/玉梓(たまずさ)」といった言葉もあります。玉章は「ぎょくしょう」と音読みすると優れた文章を指しつつ、「たまずさ」と読めば植物の名前になります。古代ではこの木に手紙を括り付けて運ぶ使者がおり、その人たちのことを指して「雁の使い」と呼んでいたこと。

 また、梓くんは作中で枝を拾えなくなった旨を述懐していましたが、これは「雁風呂」という伝説と風習に由来しています。
 秋にやって来た雁は、道中で休む際の止まり木用に枝を咥えており、それを海辺に落としていくのですが、春になるとまた咥えて帰って行きます。しかしその間に死んだ、狩られた雁の枝は残ったまま。この残った枝を使用して風呂を焚き、供養とする……といったお話。落語にもなっているようです。

 長々とご紹介してしまいましたが、たくさん要素詰め詰めしている・作者が鳥好き・作者が日本文化に撃たれてよく死ぬオタクということもあって、梓くんはニシキさんと並ぶお気に入りキャラとなっています。これからも登場するかと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします🦆

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