こんばんは、月影 夏樹です。前回に引き続き、今度はジャンル「ミステリー」の中から、この作品を紹介します。
作品名……白雪姫の接吻
作者名……坂水さま
1. 作品概要
1幕(前編)では、主婦となった藤田 直美の前に、20年ぶりに突如現れた幼馴染 初瀬 香世子との交流をテーマにしたお話。
2幕(後編)では、直美の娘 美雪の視点から、直美・香世子らとの交流をテーマにしたお話。
2. 良かった点
(1) 大人の視点と子供の視点の違いを、上手く表現出来ていたと思います。
(2) グリム童話(白雪姫)をモチーフにしているためか、どこかグリム童話っぽい雰囲気のある作品だと思いました。
(3) お菓子の名前が色々と出てきたので、良い意味でお腹が空きそうな作品です。
3. 気になった点
(1) 美雪の同級生(大日向 有加)だけフルネーム表記だったので、そこは他の人と同じように名前表記にした方が良いと思います。
(2) 20万文字以上の長編小説なので、登場人物一覧や用語説明などを別途設けて欲しかったです。
4. 総合評価
表向きは再会を喜んでいる二人(直美と香世子)ですが、実は心の中はそうではない……というスリルが味わえました。また美雪と香世子の関係も、どこかミステリアスです。文章も綺麗に書かれています。
白雪姫をモチーフにしたということで、最初は「スノーホワイト」や海外ドラマ「グリム」に似た作品なのかと思いました。ですがこれら2点とも異なる新しい作風で、とても面白かったです。
その一方で、登場人物一覧や用語説明がなかったことが、非常に残念です。最後に出典や参考文献まで記載しているだけに、この点が非常に気になりました。
また、今作品のフォロー・レビューをさせていただきましたので、お時間のある時にご確認ください。