こんばんは、月影 夏樹です。前回に引き続き、ジャンル「現代ドラマ」の1作品目を紹介していきます。
作品名……ノクターンが聞こえる
作者名……八ヶ岳南アルプスさま
1. 作品概要
ピアノ教室の講師を務める香月 芳江を軸に、夫の浩介や調律師の皆川、ジャズピアニストの西井 明弘の交流を描く作品。
2. 良かった点
(1) 彼らの微妙な大人の人間関係について、上手くまとまっていたと思います。
(2) 元銀行員や元OKという芳江や皆川の過去について、リアルで親近感を感じました。
3.気になった点
(1) 芳江と夫の浩介の年齢が、最後まで把握出来ませんでした。仕事柄という文面や西井からの口説き、と思わせる場面から、働き盛りの年代(20代~40代くらい?)と考えてよろしいでしょうか?
(2) ラストは結局どうなったのでしょうか? 1. 芳江が浩介にショパンのノクターン集の8番の、個人レッスンをした? 2. 芳江が昔好きだった本について、浩介とコーヒーを飲みながら話が進み、それで一日が終了した?
4. 総合評価
ピアノ講師の芳江の何気ない日常について、上手くまとまっていたと思います。特に彼らの近いような遠いような距離感について、楽しむことが出来ました。
ですがその一方で、彼らの年齢が把握出来なかったことで、今一つ感情移入出来なかった、と思いました。そしてラストの終わり方についても、もう少し上手くまとめた方が良いかと思います。
(1)「当初の予定では、私(芳江)は夫(浩介)に個人レッスンするつもりだった。だがふとしたことから、昔私が好きだった本の話で盛り上がってしまう。気付いた時には夜も遅かったので、私たちはそのまま部屋で眠ることにした」(2)「本の話で盛り上がりつつも、私(芳江)はクラシックが苦手の夫(浩介)に個人レッスンをしなければならない。なので適度に話を切り上げて、私は浩介に個人レッスンを行った……」などと一言加えるだけでも、結末がはっきりする展開になります。
なおこれは私の持論によるものなので、あくまでも参考程度に抑えていただければと思います。