• ミステリー

坂井シロは解っていなかった

初めての方は「はじめまして」。そうじゃない方は「こんにちは」。
「シロというペンネームは何なの?」と訊かれたので、いちおう説明しておくと、俺が溺愛していた飼い猫の名前です。

なんでカクヨムに作品を投稿したかというと、SNS……具体的にいうとtwitterなんですけど、そこで長年の疑問を呟いたわけですよ。「小説投稿サイトってあるけど、あれって読む人いるのだろうか?」と。投稿サイトをまったく見たこともないくせして、いきなり投稿サイトのレゾンデートル否定みたいなことを書いたわけです。

趣味のブログとかなら、読む人は読むだろうと思います。たとえば俺がキャンプを趣味にしていたとしましょう。キャンプに関する色々なグッズが発売されるけれど、全部買って試していたらお金が持ちません。そんな時『買って試してみた』というブログがあったら読みますよ。
現在は出版不況。雑誌だって広告を出してくれているメーカーの製品に、辛口批評なんてするはずはありません。素人のブログのほうが信憑性が高かったりするはずです。

しかし、素人の小説は面白いかどうかまったく分からないですよね。たぶん面白くも何ともない作品のほうが多いはず……。しかも一行・二行読んだだけでは、面白いかどうかも判断できない。そんなことをツイートしたらコメントがつきまして、「その発言はどうかと思う」と言われたわけです。

「じゃあ、俺が小説を出したら読んでくれる?」と訊いたところ、何人かが「読むよ」と言ってくれました。「え? 読むんだ!」とけっこうビックリ。新しく書き下ろす情熱や時間はなかったけれど、そんなこんなで昔の小説をリライトして出してみた次第です。もともとエンターテイメント系の小説は書いたこともなかったので、手持ちのなかで一番ソレ系に近いものを選んだわけですが、他の作品からはかなりズレていました。

しかも他の方の作品を見ると、予想外のことばかり。それまでweb小説って一度も読んだことがなかったんですよ……。「章ってこんなに細かく区切らなくちゃいけなかったの?」「ちょっと改行が多すぎないか?」「意味不明な一行あけはなんなんだろう?」などなど。全部意味があったんですね。後で色々と聴いてようやく理解しましたよ。俺、ぜんぜんダメじゃん💧

でも、せっかく出したんだから、俺としては感想くらいは聞きたい。労働(?)の対価として、何か得るものが欲しい。そしたらtwitterのフォロワーさん複数人が「この小説に批評をつけてあげて」と拡散ツイートしてくれたんですよ。

これは本当にありがたかったです。知っている方も意見を書いてくれたし、誰だか分からない方も意見を書いてくれました。twitterとは無関係なカクヨム住人の方々も数名、意見を書いてくれました。とても学ぶところが多かったです。皆さんには心から感謝しております。

いまのところ新しく小説を出す予定はありませんが、ひょっとしたら気が変わることもあるかもしれません。その時は皆さん、またよろしくお願いいたします。

12件のコメント

  • こんにちわぁー。
    作品へのフォローとちょい読みありがとうございました。
    大変恐縮しております。
    近況ノート拝見させて頂きました。ついでに私の独断と偏見を書き残させて頂きます。ちなみにこのコメントは消してくださって大丈夫です。
    坂井さんは、WEB小説よりもちゃんと文学賞を狙いに行くべきだと思います。言葉で説明するのは難しいので、最近、カクヨムから書籍化された作品を一つ紹介させていただきます。
    「ファンタジーには馴染めない ~アラフォー男、ハードモード異世界に転移したけど結局無双~」
    出来れば最後まで読むことをお勧め致します。
    読後は、きっと、ぶっ飛んでしまうと思います。
    私は、この作品がWEB小説の現状を端的に表しているものの一つだと考えています。この小説にWEB小説読者のニーズが全て凝縮されていると思っています。言い換えれば、このような作品を書かねば大多数のWEB小説読者のニーズに応えられないのだと思っています。
    経験談をひとつ。「なろう」で異世界を書いただけで現代ものの4倍のアクセスがありました。(もう消しましたが)つまりそういうことです。ここには「本」を読みたい読者は少ない。いなくは無いが少ない。
    連載漫画を活字化したもの。連載アニメを活字化したもの。それを望んでいる読者が沢山いるのです。
    いつか、先生の作品が世に出て「俺、先生の作品にコメント書いたんだぜ」と言える日が来ることを楽しみにしております。
    今後のご健闘とご活躍を祈念し致します。
    この度は拙作に応援頂きありがとうございました。
  • コンテスト、中間発表が出ていましたね!
    流石です。おめでとうございました!
    次はいよいよ最終選考です! 期待しております!
  • ありがとうございます。m(__)m
    楠さんからの「コメントがつきましたメール」で初めて知りました。

    皆さんが色々と欠点を指摘してくださったのが大きいと思います。たとえば楠さんから「情報過多に感じる」と教えていただいたあと、1万2000字くらい削ったんですよ…。心から感謝いたします。
    だいたい15~20作くらいに残って、その先に進めないのがパターンなので、当作品はここが限界と思っていますが、選者さんのコメントが聞けたらいいな…と願ってもいます。

    とりあえず、ここで皆さんから学んだことを活かし、来夏くらいまでに完全新作を仕上げて、雑誌の新人賞に応募したい考えです。
    アドバイス、本当にありがとうございました!
  • 次作も出来れば、カクヨムで読ませて頂けたらと思いますが…と、アップをおねだりしてみます。
    作品、2周目させて頂いております。今度は縦読みで。読みやすくなってる。って思ったのはきっと本物はWebより「本」に馴染むからでしょう。
    新作、楽しみに待たせて頂きます。
  • 承知いたしました。次回はSNSで拡散などせず、ひっそりと期間限定で公開させていただくことにします(笑)

    書き手がおっさんなのに、20歳の女性を主人公にしたため、無駄に苦戦しております。女性を主人公にするのは、二度とやめようと思いました…。
  • おはようございます!
    新作を拝読させて頂いております。
    パーソナリティを探すことを命題にしている主人公の欠落したパーソナリティが見えないというか、分かりにくいというか……。
    いつも自己完結してしまっている主人公に葛藤が見えないというか……。
    感情移入しにくい気がしました。

    純文学の定義は私ごときでは語られません。何が芸術的なのか分からないので。
    それが一種の前衛的なものだとすれば、美文の整列は、なるほど確かに外れる気がする。しかしながら優れた文章もまた美しい。さればこれも純文学たり得る。
    と語っても、私には「なんでも鑑定団の視聴者」程の知識しか無いのでこれは感覚でしか無いのですがw

    その昔、国語の教科書でパルチザンとパルチストについての随筆を読んだことを思い出しました。手に職を持つ私には、至高技術作品が優れた芸術たり得無いことを知っています。芸術が至高の技術無くしてあり得ないことも知っている。その境界線は何なのか。まさにパラドックスですね。

    ラノベのゴミの如きアマチュア作家が高尚に語ることではないですね。失礼を致しております。でも、作品って面白かったらそれで良いという一面も確かにあると思っています。

    シロさんは、今、ワクワクしていますか? 描いている先に読者の顔が見えていますか? シロさんが超絶面白いと支持される作品を生み出したときに、それはもう純文学になっているのではないでしょうか?
    以下これは釈迦に説法。大変な無礼をお許し下さい。
    読者の気持ちを弄んで裏切って騙して最後に「あ!」っと言わせる。私が目指すところはそんな大衆の娯楽ですが、シロさんはどうですか?



  • いつも貴重なコメントありがとうございます。最近作品が更新なされていないので「まさかコロナで入院とか…」と要らぬ心配をしておりました。

    いただいたものは、とても深いコメントですので、3日くらい真剣に考えさせていただきます。

    「欠落したパーソナリティ」に関しては2章の終わりには、概要がつかめるようにしておいたのですが、やはり分かりにくいでしょうか?


  • 私のコメントに三日を費やすのは徒労ですよ(笑)

    コロナは大丈夫です!クソ田舎で暮らしているのでw
    私如きがと思いながら不躾も承知でコメントを書かせて頂きました。
    非礼をお許し下さい。

    まず、「終わりゆく世界」に感想を書かなくなったのは、創作の邪魔をしてはいけないと思ったからです。佳境に入っていましたから。
    一つ印象に残っているのは、朔也と鏡花の肉体関係(すみません、的確な表現ができませんでした)が唐突に思えたことです。このエピソードはかなり重いものだと思うのですが、回想で過ぎていってしまいました(私的感想です)

    「エゴと私の絶望のワンダーランド」については。
    実は、一周目では掴めませんでした。これは読解力が無い自分を責めていますが、そればかりでもないかも知れません。
    1章Ⅲを読んでから冒頭に戻ったときにストーリーラインが見えたからです。
    ここにシロさんの作意があるのかな?と思いながら、改めて1章Ⅲを踏まえて読み解くことをしました。構成の妙を読み解こうとすることが読者として正しいかどうかは分かりませんが、全て読み終えた時に何が降りてくるのかを楽しみにしています。

    実はシロさんの新作については通知が来ませんでした。危うく逃すところでした。
    シロさんの作品から繋がって私の作品を読んでくださった読者様がおられて、その方の足跡を辿ることで新作を見つけられたという具合です。

    「おお! アリスがきた!」と思って読み始めました。
    読んでいて、ふと、迷っておられるのかな?と思ってしまってコメントを差し上げた次第でした。

    作風というのは様々で、手法技法も様々で、直喩が好きな作者もいれば暗喩が好きな作者もいる。千差万別であろうと思います。
    2章の終わりに概要が掴める仕組みであるならば、もっとミステリアスでもいいのでは?とか……申し訳ないです。ガラクタの私が言ってはいけません。しかし敢えて感想として言えば……(本当に申し訳ないです)

    例えば。
    「私は絶望していたので、来月あたり、世界が終わればいいと思っていた。」
    との文章で、「私は絶望していた」は不要に思いました。
    他にも、「私は○○なので」という一文が見られますが、それは意図的に罠として使う以外は不要と感じました。何故なら、そこは読者に主人公のことを想像させる部分だと思えるので。そこは「ああ、主人公は絶望しているのだな」って感じさせることが読者の好奇心を擽るところなのではないのかと。自己完結していると言ったのとはそういう所で感じたことでした(ごめんなさい。経過で話すことではないことかもしれませんし、作者の意図でもあるかもしれませんし、浅慮とは思いますし)

    僭越至極な言葉をお許しください。
    あまり深く考えずに、面白いと思う作品を思いのまま描かれるのが良いと思います。
    混沌とした世相で気が滅入るばかりです。創作も暗いニュースに引っ張られてしまってままならないです。小池さんのお膝元にお暮らしと推察しています。くれぐれもご自愛ください。
    続きを心待ちにしております。
  • 「絶望していた」は要りませんね。ホントありがとうございます💦 削除しました。

    不躾なお願いなのですが、お時間があるときでかまいませんので、もし可能でしたら細かくツッコミを入れていただけるとありがたいです。
    アタマ悪くて、どうにも客観性に乏しいようです。なんとか自分でも、ご指摘いただいたようなポイントは捜してみるようにはいたしますが。

    楠さんには感謝しかありません。m(__)m
    今後ともよろしくお願いいたします。


  • ここ数日、ドキドキしておりました。厚顔無恥も甚だしかったのではないのかとか、気分を害されてはいないだろうかと心配で。

    今は少しホッとしておりますが、しかし。
    私如きではお力になり得ないと思います。読書量も少なく。小説の書き方も分からずに、愛読書を参考にしながら真似しているだけのユーザーですから。

    ツッコミは入れて良いのか迷います。
    客観性とは難しいですね。作家は神ですからね。本来、客観的視点など考えなくても良いのでは? 優れた批評家にはきっと物語は描けない。と、そうも思いますので、そこに捕らわれる必要はないと思います。
    またもや禅問答のような言葉を吐いていますね(反省)

    もとい。思い起こすとすれば、私ならこういう構成にしたかな? ということはありますが、それはなんお役にも立ちません。創作のノイズにしか成らないと思います。
    でも、強いて一つ気づきとして言えば、シロさんの作る主人公はみなどこか達観しているように思えるということです。悩んで苦しんでいる割に皆が問う前に「こうだ」という答えを持っているように思います。これについては、善し悪しは僕には分かりません。感覚的なものです。

    袋小路に填まると気が狂いそうになりますが、技術職の経験上、壁の先には違う景色があることを知っているので、あまり慌てません。
    壁は、登っても、迂回しても、穴を掘っても、寝て待ってもいつか消える物です。良い壁が見えているシロさんが、ちょっぴり羨ましいです。
    既に大空を飛んでいる鳥が、飛び方を気にしてどうなりましょう。
    もっとワクワクして、自分が面白いと思うように飛べば良いと思いますよ。

    余談ですが、「ノーアンサー」と比較して、格段に余分がそぎ落とされ洗練されていると感じます。一文が好きになっています。
    訴える余りに余分に手足を付けてしまっているだけでしょう。
    たぶん、それだけのことですよ。




  • おはようございます。まずは拙作にお目通し頂きありがとうございました。
    お目汚しで恐縮です。
    「エゴと私の絶望のワンダーランド」完結お疲れ様でした。
    さて、今回は読者というよりは編集者的視点で読んでしまったので一言で感想を書くのは大変難しいですのですが……しかも私は凡なる趣味作家なので編集者的とかくのもおこがましいのですが……。申し訳ありません。このように前置きせねばとても書けません。ですが、シロさんの意図する批評的なことを書いてみたいと思います。

    これも前置きですが、批評するにあたっては基準を私のバイブル(参考書)に則って行いたいと思います。つまりその参考書にある言葉を用いて、自分が思ったことを書くということです。長文になりますがお許し下さい。

    ①全体として、答えありき出会ったと思います。
     これは、書き上げた後にもう一ひねりが必要であったかもしれません。当初の着地点に真っ直ぐ降りていったように思います。

    ②視点人物を描写するのは難しい
     しばしば、一人称においては視点人物である「私」を描写するのは難しいです。私はこう思う。私はこうだ。何々についてはこう思う。というのは場面によって描き分けなければならないのだと思います。今回は読者の気持ちが入り込む隙間が狭かったように思います。

    ③どんな楽しみを提供するのか。
     「私」がパーソナリティを獲得する物語でした。この物語について読者にどんな楽しみを与えたかったのかはよく分かりませんでした。心の葛藤なのか、
    苦難を突破していくことなのか。

    ④主人公を追い込む
     それなりに困難な情況はありましたが、いつも淡々と物分かり良くワンダーランドに順応していたように思います。「私」が事態に対峙するとにき、こうだと思って動くのですが、思った通りこうだった的な。思い違いや、決定的な窮地がなかった。たぶん、フリが弱かったのと、全てを説明し過ぎていることがそういう結果になるのだろ予測します。
    ガーランド夫妻が、自分の両親であったことに気付くところは重要です。ここでつまりは、ワンダーランドにいる人物は全て自分の縁者であったことに気付くのですが、そのことをもっと謎として利用すれば奥行きがある話になったかも知れません。そのことが、「絶望のワンダーランド」とは何ぞや?という謎に結びつき、パーソナリティ獲得に大きく作用するところであったと思います。最小に、ワンダーランドのクリア条件が出されていますが、これも効果的ではありませんでした。ストーリーラインのどこから物語を始めるかによって大きく印象が変わる物語です。冒頭をワンダーランドで断罪される場面から始めるもの面白かったかも知れません。そこで謎を提起して、クリア条件はこうだが、はたして!?どうなるのかという展開はベタですが分かりやすいです。

    ⑤変化を読ませる。謎を解く。
    これが私の参考書に書いてある面白い小説の要素ですが、上記でも書きましたが、このことが物足りなさの要因でもあると思います。
    私の参考書には「ひねろ」とか「トゲが必要」とか書いてあります。
    読んでいて閃いたのは、いっそ現実世界にもどったら誰かを殺している最中だったというオチです。そこで「私」がパーソナリティを獲得するというショッキングな締め方を思いつきました。ただし、これが読後感を嫌なものにしないようにしなくては効果も半減するし、ただの気持ち悪い小説になってしまいます。そのことを考えるには私如きでは無理ですが、そんな捻りがあってもインパクトがあると思いました。
    出来上がったストーリーをずらすとか、結末を変えるとか、難しいですが、考え抜くしかないと愛読書には書かれていました。私には可能性が無いことですが、シロさんには出来ると思います。今のご自身を肯定して楽しんで書いて下さい!

    ⑥読者に共感させる
     共感を得るためには様々な仕掛けが必要になります。と思います。
     思いますが、これを説明できたなら私は作家になっています(笑)

    最後に、これが一番大切なのですが、過去作と比べても面白かったと思います。読ませる技術はとても勉強になります。
    ちなみに、いま私が書いているものは、オマージュというか、御著から着想を得ています。私はアイデンティティについて書こうとしています。結果、登場人物を初期設定から作ることは省いてしまいましたが、なんとか書き上げようと思っています。
    様々、不躾な言葉を吐いてしまっています。どうかお許しください。あくまで私の主観でしかないので参考になさらない方が良いと思いますが、一助になればと心を込めて拝読し書かせて頂きました。
     
  • ありがとうございます。

    以前 純文学的と書いたのは「娯楽性を排して、一方的に作者の主張を突きつける」というスタンスで進めるという意味合いでした。

    この小説は、私にとって『書き手のメンタルを削る系』だったため、けっこう疲弊しました。いただいたアドバイスは後ほどじっくり検討させていただきます。m(__)m

    楠さんが「バイブル」とおっしゃられているものは、市販されている書籍なのでしょうか? もし可能であれば教えていただけると幸いです。
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