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[12/8] 筆が止まったら、世界の街を見る旅へ出る。

小説を書いていると、
急に筆が止まるときがある。

何も出てこなくて、
ただ画面のカーソルが点滅するだけの時間。

そんなとき、
『世界の美しい街』みたいな動画を眺める。
頭を空にして、ぼぉっとする。

それが、
いつの間にか自分の異世界の背景描写になったりもする。

そしてある日、出会った。

こんな街――
白と青に染められた、夢みたいな階段の街。

消防車も救急車も、ここでは気にされていないような、
絵画の中の街。

でも、きっとここで暮らしていたら、
世界が違って見えるんだろうな。
毎朝目を覚ますと、いつも眼下にこんな景色が広がっている。

今、家の窓から見えるものは、
どんよりとした秋の空と、マンションに立体駐車場、コンビニの看板……。

白と青――贅沢すぎる街とは違う。

だけど、
こんな景色の街で暮らしていたら、
きっと小説なんて書けない気がする。

だから、今の景色でいい。
どんよりとしたこの街で、
実際に見たこともない世界だからこそ、
小説の想像の中にだけある街を書けるんだと思う。

それだけで十分。

だって――

異世界は、現実の外にあるから、書けるんだ。

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