霜月あかり

十月の夜、街を照らすランタンの灯。 小学三年生のカイが出会ったのは、かぼちゃランタンをつけた不思議な「ハロウィン電車」でした。 その名も“ハロウィン延伸線”。 乗る人の“想い”…

秋の森の広場で開かれる「つなひき大会」。 ゾウやクマ、サルといった力自慢のチームに混ざって、今年は初めて――小さな虫たちが挑戦します！ 相手はサルさんチーム。どう見ても分が悪い…

南の果て、氷の大地に住むペンギンのピピは、泳ぐのが得意な小さな冒険家。 でも、ずっと夢見ていました――「いつか空をとびたい」と。 そんなある日、海をわたって迷い込んだのは、地上…

口内炎でジュースがしみるユウゴくん。 いつもの帰り道、公園の古い自動販売機の前で出会ったのは、 “ボタンのおじいさん”と呼ばれるふしぎな人でした。 すすめられて押したのは――少…

ユイちゃんの家の白いカーテンが、今日も風にふわりと揺れています。 いつものように聞こえた“ピンポーン”――でも、そこにはだれもいません。 何日も続くその不思議なチャイムの音。 勇…

ある春の朝、ユウくんはママとおさんぽへ。 途中で出た小さな“ぷぅ”の音に、ちょっと恥ずかしくなります。 でもママは笑って言いました。 「オナラは“体の風船”の空気がぬける音なの」…

冬の始まりの土曜日。 ユイちゃんはママといっしょに、町の温水プールへ出かけます。 最初はちょっぴりこわい水の世界。 けれど、ママの手のぬくもりと、ゆらめく水の光に包まれながら、…

夜の図書館で、少女と古いトランプが出会う――。 亡きおばあちゃんとの思い出を胸に、リナちゃんは今日も月明かりの下でカードを並べます。 そしてある夜、ハートのクイーンが赤いリボンを…

夜の山あいにある、知る人ぞ知る名湯「おでんのゆ」。 だいこんさん、たまごさん、こんにゃくさん、がんもどきさん―― そこへ新入りのちくわぶくんがやってきます。 じんわり、ゆっくり…

おひるねの時間、ミオちゃんの毛布に小さなしみ。 先生のていねいな手洗いと、友だちの笑顔が重なって、 午後の保育園はあわあわのやさしさで満たされていきます。 「だいじなのは、こぼ…

朝のキッチンで焼けるパンの香り。 ママが心をこめて作った「まるいサンドイッチ」は、 遠足へ向かうユイちゃんに、あたたかな勇気をくれました。 お友だちと笑い合う時間。 ひと口食べ…

朝からぽつぽつと降り続く雨。 竹林の奥の動物園で、パンダのリンリンは少し退屈そうに空を見上げていました。 ガラスの向こうには、遠足が中止になってしまった女の子。 二人の指がガラ…

秋の朝、急ぐ途中で出会った小さなできごと。 4年生のユウキくんは、ランドセルを落とした女の子を助けます。 そのせいで遅れそうになったけれど、彼が口にした「まわり道だって、ちゃんと…

朝のホームに響くベルの音。 「今日は“鉄道の日”。」 母と少年は、かつて父と乗った電車に再び乗りこみます。 ゆれる車窓、やわらかな光、そしてトンネルの中で出会った懐かしい笑顔。…

春の終わりの朝。 盲導犬ハルと青年ナオトは、いつもの道を歩き出します。 しかし、目の前には突然の工事で通れなくなった道。 ハルは耳と鼻を頼りに、“新しい光の道”を探しはじめます。…

町のはずれの運送会社で働く、あおいトラックのソラ。 今日は初めての「ひとり立ち」。 重い荷物、急な坂道、思うように進まない道――。 それでも前へ進もうとするソラの前に現れたのは、…

朝の庭で、アキちゃんは不思議な“つゆのしずく”と出会います。 それは、ものの“気持ち”をうつす小さな鏡。 花の想い、自分の心―― 朝のまほうに包まれた、静かであたたかなひとときの…

朝のあいさつ運動が行われる小学校。 ある日、いつも元気に声をかけてくれるアカリちゃんの「おはよう」が聞こえなくなります。 代わりに見つかったのは、謎めいたメッセージ。 ユウくんと…

今夜は「中秋の名月」。 ユイちゃんは、おばあちゃんといっしょにお月見の準備をしていました。 けれど、空には大きな雲。 まんまるのお月さまは、なかなか顔を出してくれません。 ――…

朝もやの登山口から始まる、ユウくんの山登り。 木々のささやき、小川のせせらぎ、鳥たちの歌――。 ひとつひとつの出会いが、山からの「おくりもの」でした。 頂上でユウくんが気づいた…

ある夜、ユウくんはおじいちゃんにもらった小さな望遠鏡をのぞきます。 クレーターの月やきらめく星座は、ふしぎな姿に変わり、まるで物語の世界のよう。 そして望遠鏡が虹色に光ったとき、…

ある朝、リビングに広がるコーヒーの香り。 その瞬間、ユウくんの目の前に広がったのは――森の小道と、世界の朝ごはんの国々でした。 ちょっぴり苦くて、ほんのり甘い香りが運んでくれるの…

町の工事現場で働く大きなクレーン。 毎朝見上げるそらくんは、空まで届きそうなアームに夢をふくらませます。 月をつり上げたり、雲をひっぱったり、虹をつかんだり――もしできたらどんな…

町のはずれにある「しろくまクリーニング」。 ふわふわの白い毛をした店長は、今日も大切な服をていねいに洗っています。 ある日、泥だらけのマントを抱えた男の子がやってきました。 店長…

「9月26日は“大腸を考える日”」――。 けんこう新聞を読んだユウくんは、「大腸ってなに？」とママにたずねます。 すると頭の中で広がっていく、温泉、電車、工場、迷路……。 大腸が…

ある朝、カレンダーから飛び出した小さな妖精が告げたのは――「今日は主婦休みの日」。 ママは一日お休み。けれど家の中は大混乱！ 料理に洗濯、子どもの支度……いつもママがやっているこ…

駅の「みどりの窓口」に現れたのは、小さな男の子。 おこづかいを握りしめて「きっぷをください」と伝える姿に、駅員さんはかつての自分を思い出します。 切符はただの紙ではなく――旅への…

アフリカの広いサバンナで出会ったサイのサムと、背中にとまる小さな友だちウシツツキのピコ。 力強いツノと軽やかな羽、ちがう力を合わせて困っている動物たちを助けていきます。 けれど、…

ようこそ、ふしぎな「ちびっこ島」へ！ この島には、ちょっと変わった動物や子どもたちがすんでいて、毎日が小さな冒険でいっぱい。 しっかり者のリク、元気なおっちょこちょいのミミ、発…

ある日、ユウくんはママに「どうして苗字があるの？」とたずねます。 山や川、森、そして仕事や暮らしにちなんで生まれた苗字の話に、ユーモラスな想像がふくらんでいきます。 けれど――も…

沖縄の縁側で、おばあとカナが語らうひととき。 「しまくとぅば」――島の言葉には、海や風と同じように大切な心が宿っています。 やさしい響きと共に受け継がれる“ことばのたからばこ”。…

町を駆け抜けるモノレールは、ただの乗り物ではありません。 子どもたちの声に耳を澄まし、夢や希望を胸に抱きながら、空を走る存在でした。 年月が経ち、引退の時が訪れても――モノレール…

町はずれの牧場で出会った少年・ユウタと若い馬・ハヤテ。 ふたりだけの“かけっこクラブ”を始めた日から、走る楽しさ、転んでも立ちあがる勇気、そして大切な絆が育まれていきます。 全力…

ある夕暮れ、公園に突然あらわれた「クイズおうさま」。 ユウくんとミナちゃんは、招待された「クイズの国」で数々の謎に挑みます。 花咲く小道、きらめく湖、星降る丘――出会う生き物たち…

森の奥で手紙を届けるのは、ゆっくり歩くカメの郵便屋「カメじい」。 ある日、リスから「夜が怖い」とフクロウへ宛てた手紙を預かります。 速さよりも大切なのは、心をのせて運ぶこと――。…

あかねちゃんのランドセルは、なぜかしゃべる。 「宿題は明日でいいよ」「雨の日はふたを開けて歩こう」――言うことはちょっと変だけど、時々とても大切なことも教えてくれる。 困ったり、…

夏休みの午後、あやの麦わら帽子が風に飛ばされました。 追いかけるうちに花の香りやテントウムシとの出会い、お母さんの声――さまざまな瞬間を風が運んできます。 見えないけれど、たしか…

今日は小学校で初めてのマラソン大会。 タンスの中で目を覚ましたみどり色のくつしたは、相手が見当たらないことに気づきます。 「ふたりそろわなきゃ、子どもが不安になっちゃう！」 大切…

セミの大合唱から、ヒグラシのもの寂しい声へ。 そして、スズムシやコオロギの音色へと受け継がれていく――。 虫たちの鳴き声が織りなす季節のバトンを描いた、移ろいの物語。

ゆうくんがふと考えた「なみだ」の秘密。 もし味があったら？ ジュース屋さんになったら？ 工場やダムになったら？ 想像はどんどん広がって、世界中を「なみだ」でいっぱいにしてしまいま…

夜の扉が閉じられると、水族館はにぎやかな海の世界に戻ります。 クラゲのランプに照らされ、魚たちがダンスやリレーを楽しみ、イルカやアザラシが大はしゃぎ。サメだって、眠そうにあくびを…

夕方のちゃぶ台に広がる「どうぶつしょうぎ」。 父と子の指先から、盤の中ではひよこやライオンたちの冒険が始まります。 勇気を出して一歩踏み出すひよこ。守り支える仲間。 その姿は、盤…

夏休みの午後、元気いっぱいに遊んでいたゆうた。 でも急に「へっくしゅん！」――。 その夜、夢の中で彼が見たのは、自分の体がひとつの国になり、赤血球・白血球・血小板たちがかぜのばい…

夏の夕方、公園を歩いていたゆうくんの前にあらわれた黒い形。 どこまでもついてくるそれに、ゆうくんは思わず逃げ出します。 けれど正体に気づいたとき、不思議な存在は“こわいもの”から…

お皿にのこされた一本のスパゲッティ。 「どうしてぼくだけ、のこされちゃうんだろう……」 しょんぼりしていたスパゲッティは、えいっと飛び出し大冒険へ！ チーズやトマトの仲間と出会…

ある夜、ひとつの雲が「ベッドになってみたい」とつぶやきました。 月のあかりに照らされて、ことり、ちょうちょ、子ねこ、そして子どもが雲の上で夢を見ます。 ふかふかのやさしさと、夜空…

夜の静かな家。 トイレに行きたいけれど、真っ暗な階段がこわい――。 そんなゆうきの前に現れたのは、小さなおばけでした。 「ひとりじゃこわい」気持ちは、人間もおばけも同じ。 ちょっ…

ある夏の日、小さなアリのクロが見つけたのは、人間の落とした一枚の地図。 仲間のアカとシロとともに地図を手に、庭を大冒険に変えていきます。 棒が橋になり、水たまりが湖になる――。 …

夏の校庭で見つけた、ひとつのせみのぬけがら。 それは小さな男の子にとって、ただの殻ではなく「せみのぼうし」。 頭にのせれば、飛びたつ未来を思わせてくれる、大切なお守りのような存在…

汗びっしょりになりながらサッカーをがんばるゆうた。 ある夜のおまつりで出会ったのは「ひんやり おばけアイス」の屋台でした。 白いアイスをひとくち食べると、体がすけておばけみたいに…