• 現代ドラマ

この小説は実話ですか?

「この小説は実話ですか?それとも創作ですか?」よく尋ねられますが、基本的に登場人物の名前以外は実話です。
 もちろん、私自身や登場人物が特定されるような地名や施設名、企業名などは明記しなかったり、適当な名前に変えています。

 10年前のブログ時代、この小説では鮎香瀬和子となっている女医の私設秘書を辞めて(正確には逃げ出して)、シングルマザーだった高校の後輩と結婚してサラリーマンをやっていた頃、身バレに関しては、ヒヤリとした思い出があります。

 たまたま、タイトなスケジュールだった海外出張の愚痴と同僚の訃報を漠然とした内容でブログに書いたら、担当取引先の女性社長から飲みに誘われて「島崎乃奈って、当然、知ってますよね?」と言われました。

 思わず心臓がギュッとなり、その嫌な感覚は今でも覚えています。幸いにも社長がブログのファンだったので、周囲や会社に漏れることなく済みましたが、それ以降、記事を書くときには細心の注意を払うようになりました。

 長谷部響子先生の話はブログ時代には全く書いていません。当時は、まだモデルになった人物を探そうと思えば、割と容易に特定できたので記事にするのは無理でした。
 ただ読んでもらえばわかるように彼女は、私の人生で、かなり重要な役割を担っているので、完全版とか補完版みたいな形で、いつかは書きたいと思っていました。

 あれから10年の歳月が経過し、彼女も画家と教師を辞めて、千葉県から遠く離れた他県に引っ越し、彼女が住んでいたアパートも既になく、アトリエだった別荘は取り壊されて更地となりました。私がモデルになった少年絵画も全て検索に引っ掛からなくなったので、ようやく念願叶って文章にすることができたのです。

 

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