『ドラゴンテイル・2』は明日更新予定です。
仕事柄、お名前や住所をお聞きすることがしばしばあります。
そこで問題になるのが書き取り。
まあ住所はいいほうです。土地勘がない地域でも検索すれば漢字はわかる。
問題はお名前。これを間違えると一発クレームだし、特に気をつけて確認に確認を重ねていくわけですが。
……日本の人名、とっっっっっっってもパターンが多い!
無限の可能性を秘めたサイトウ様ワタナベ様タカサキ様ヤマザキ様あたりはもう慣れっこなのか、対応がマイルドなことが多いです。他にも訛りの強いお年寄りの方だったりレアケースだったりすると、意外に時間をとられることもしばしば。
たまに「なんでわからない!」とお怒りの方もおられますが、そちらは半世紀以上その名前とおつきあいされていても、こちらにとっては初見なのですという本音を漬物石の下に押し込めつつ、丁寧にヒアリングしていきます。それしかないんだから仕方ない。
たとえば「タカヨシ様ですね」とお聞きして、どんな字を思い浮かべるでしょう。
お客様から「〝りゅうせい〟のりゅうの字」と言われて、こちらの頭に〝隆〟という字がすっと出てくるか。
逆もまたしかり、「〝りゅうき〟のりゅうですね」と言って相手に伝わるか見極めねばなりません。
確認のための単語にしても、相手にちゃんと伝わるものを選ばないと、合っていても「違う」と言われかねないのが人名。
とあるとき、お年を召された御婦人に「〝前田利家〟の〝とし〟ですね」と返したら、「そう、『利家とまつ』の〝とし〟!」と妙にうけたのですが、これもたまたま相手が前田利家を知っていたから通じたものの、戦国時代も大河ドラマにも興味のない方なら「は?」案件です。
さっきの〝隆〟も「西郷隆盛の〝たか〟」ならまだしも、「龍造寺隆信の〝たか〟」だときっとがくりと認知度が落ちる。
漢字サーチは単語サーチでもあるのです。
私が単語探しに悩む、よく使われるわけでもないけれど、たまにある漢字があります。
私はわかる。たぶん私の回りの人たちもこの例えで一発でわかる。
同時に、世の中の半分以上にこの例えが通じないのもわかるのです。
とある日のお客様曰く。
「タカヨシのよしは、〝よろこぶ〟みたいなやつ」。
きた!
なんか毎回どう確認するか悩むんだよ!
どんな字かわかるのに悩んだあげく「か、と音読みする字ですね」と逃げの確認をしてしまう字。
「そうそう、隆嘉な」
ああ――これで「〝郭嘉奉孝〟の〝嘉〟」って言えたらなあ!!