「冰の瞳」を文章化するにあたり、描写の参考にした映画が3つあります。
そのうちの一つは「バルカン・クライシス」という、ロシア・セルビアが合同製作した映画です。
他にも、台湾に住んでいた時に観たアメリカ製の映画が2つあり、一つは「キリング・ゲーム」。ジョン・トラボルタがコヴァーチ役を演じた映画です。もう一つはタイトルを失念してしまいました。コソボ紛争が終結した後の時代、3人のアメリカ人がバルカン半島に行き、ジャーナリストの主人公が昔滞在していた村で知り合った、女性を探しに行く…とかいう話です。このストーリー上では、まだまだバルカン半島は危険地帯で、途中主人公一行が過激派のセルビア勢力に拘束されたり、協力者に助けられてなんとか逃げ延びたり…という話です。面白いのは、実在の人物を起用していた事。
今回メインで参考にしているのは、勿論「バルカン・クライシス」です。この作品はコソボ紛争中実際にあったロシア軍の作戦行動が元になっていて、観ていて
「うーむ…おそロシアならさもありなん!」
などと思いました。
「冰の瞳」は、セルビア人であるコヴァーチの物語ですから、セルビア側の視点に重きを置いて書かねばなりません。一般に日本で報道されるコソボ紛争は、アルバニア側とNATO側の視点です。ですから、アメリカ映画である2作は、あまり参考になりませんでした(作品自体は面白かったので、皆さんも是非観てくださいね)。