先週投稿した“鏡(椎名と恭子)”の修正前です。
先週一緒に投稿するか迷ってやめておいたのですが、結局投稿することにしました。
大きく違う点としては、恭子の名前がちょっとだけ変わっています。
十年前は恭しいの恭ではなく、郷里の郷でした。
彼女の人柄により相応しい字を選んだつもりです。
それから、話の展開や表現などはともかく、話の終着点が少し違います。
十年前は恭子が椎名の言葉を受けて、前向きになって鏡と向き合うところまで至っています。
そこまでの運びが急ぎすぎててどうかと言うのはありますが、先週投稿した修正版は気持ちだけ前向きになって、それを感謝していますが、特に鏡に向き合おうとは考えていません。
これは、恭子の心情をより掘り下げていった結果です。
“好きになれる自分”探しは、褒められる度に恭子はしています。鏡を見て、つい椎名に褒められたところを見てしまいます。そして毎度、「椎名には及ばない」とか「大したことない」とか、そういう感情を抱いています。
今回もきっと同じでしょう。しかし、それを受け入れる覚悟が少し固まっているかもしれません。
椎名には及ばない、けれど自分だってそう悪くないじゃないか。
恭子がそう思えるようになるには、まだもう少し時間がかかることでしょう。
恭子は、椎名に対してコンプレックスを抱えています。ゆえに、椎名本人から褒められても素直に認められないのです。
恭子を大好きだと言ってくれる他の誰かが現れるまで、彼女は自分のことを好きにはなれないでしょう。
と、私が考えた結果、今回の結末と相成りました。
作品としては心も場面も動きが少なくて、淡白なものになってしまいましたね。
短編として描くと本当にワンシーンツーシーンぐらいしか描けず、その中で何を表現するか、とても大切だけど難しいことです。
これからの課題としていきたいと思います。