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青春と部室7 あとがきと創作ノート

青春と部室のあとがき的な蛇足と制作ノートです。

読まなくても全く差し支えないですが、本編ラストで「はあ? こんな終わり? 胸糞!」と思った方は、ご一読頂ければ胸糞のむの字くらいは晴れるかと思います。いや晴れないかも。どうかしら。

【ネタバレ&オチバレなので、未読の方はまず本編を先にどうぞ!】
お時間いただけましたら、ぜひ一章から通しで読んでいただきたいです。
ほんのひとことでも大歓迎ですので、ご意見ご感想お待ちしております!
『青春と部室』
https://kakuyomu.jp/works/16817139558515130759



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◆テーマについて
◇大きなモチーフは「告白」「情熱」
◇小さいのだと「視線」とか「嘘と思い込み」とか。とくに梨花は自分で嘘をつくのと同じくらい、勝手な思い込みで結果的に騙されている。
◇物語を通して書きたかったテーマは、
「受け身の人生は、他人のドラマの添え物」「自分の中の悪感情を自覚してるヤツ(佐田岡、梨花)と自覚してないヤツ(山田)の対比」
 なので、佐田岡のドラマが終わったところで山田の話もバツッと終わり。で、最終的にBLになってしもーたわけですが苦手な方ほんとすんません。最初からBLとして出せば平和だったんですが、そこオチだからさ…🥺
 なお私のゲイオチ好き性癖はおそらく若かりし頃読んだ乱歩の「孤島の鬼」のおかげ。
◇この物語で受け身だったのは山田と江崎。一番割りを食ったのは、自ら告白もしないし情熱も持たず逃げ続けた山田。ただ最後の最後で自らが何も持たないことに気づいたのは、=明日から目が覚める、夜明け前なのだと思っております。


◆登場人物紹介画像の小ネタ
◇山田による紹介画像は、ラクダが山田→吉川に「一目ボレ」と書いたのを佐田岡が消している。
https://kakuyomu.jp/users/sasakinano/news/16817139558518841564
◇佐田岡による紹介画像は、山田と佐田岡の間だけちょっと字間がせまい。佐田岡の無意識の願望。
https://kakuyomu.jp/users/sasakinano/news/16817139558844569902


◆1997年の時系列
梨花1997→山田1997→梨花プロローグ→佐田岡1997


◆分岐型サウンドノベルゲームだった時のはなし
◇なんでまた猥王(わいおう)高校なんて物騒なネーミングなのかというと、当時サウンドノベルとして発表したサイト名がYO(ワイオーby矢吹おいら)だったというそれだけの話。人名商品名まんまな世界で浮いているので、そのうちこっそり変えるかも。→変えました!
◇山田太一という適当な名前も、もともと「山田太郎」でゲームスタート時に名前が変えられたなごり。本名を入れると、エロゲだと思って読んでたら親友に寝取られた上に最後に名指しで好きだ〜と告られる悪趣味な作りだった。
と、書いてて今気づいたけれど、山田の主人公性の薄さはエロゲの目隠れ主人公的な出自も影響してるかも。
◇本編は佐田岡編までで、2018年編は分岐後のトゥルールート。他には不倫略奪して梨花と結婚するifルートもあった。でも山田は愛想をつかされ結局またお別れしちゃう。ぴえん。なおこの不倫ルートでは山田は最後まで受け身で能天気なまま。


◆反省点、課題点
◇最初猥高は「県立」だったけど、それじゃ森が転勤しちゃうじゃんと気づいて途中から私立に変えた。詰めが甘い。
◇1997年の山田と以降の山田が別人…。もっと文体の癖を残せばよかった。
◇一番最初のゲーム制作時には他の運動部とは違う特殊な高校野球部の仕組みをよく知らずに適当に書いてた。リライトにあたって調べはしたけど、そのせいでちょっと話に制限がかかってしまった。告白から初体験まで駆け足だとかね。
◇もともとサウンドノベル時は今の半分くらいの短い話で、佐田岡の出番も少なく、その中で破綻せずに「佐田岡は梨花が好き」とミスリードさせるように書いていたので、佐田岡編の山田しゅきしゅき💕がちゃんとどんでん返しになってたと思う。ていうかそれがやりたいだけのワンアイデアノベルだったので、江崎なんて名前もないキャラだった。
 が、今回テーマを作って佐田岡の尺を伸ばし梨花の旦那に人格を与えたことで、逆に佐田岡は何したいんじゃ? 梨花好きなんか、江崎好きなんか? 山田をどうしたいの? みたいな、ちょっと行動原理が謎なメンヘラになってしまった気がする。どうですかね…?
◇とはいえ一番好きな章は(14)で、今と回想が行き来していい構成になってる。締めも綺麗。な気がする。どどどどうですかね…?
◇サボり魔の後藤はコロンボのかみさん的な名前しか出てこないキャラにするつもりが、うっかり部室のシーンで出しちゃった。将棋やらせときゃよかった、失敗した。


◆作中で詳しく書かなかったこと
◇みんなの地元は千葉県内で、梨花と佐田岡の大学は都内。
◇2011年を挟むので、震災のことを書くかどうかはちょっと迷った(ちなみにゲーム制作時は2005年なので当然書いてない)。迷った結果、軽く書いても重く書いてもうまくいかなそうなので言及しないことにした。
◇変わらないラクダは子供時代の象徴。ラクダがらみだとみんな幼くなる。監督が若いのはお手入れしてるから。
◇山田の一人称は感情的、佐田岡は事実を淡々。
◇佐田岡は山田に基本「いや」「でも」の否定系で会話しない。告白は例外。
◇佐田岡はストレスがかかると髪を触る、もっとかかると後ろ頭をガリガリ掻いちゃう(エニグマの少年に一発で捕まるくらい作中結構不自然に触ってるので探してね)。髪は人に触らせないけど山田ならいい。
◇実は梨花にとってセックスの失敗は人生のかなり大きなウェイトを占める事柄で、処女喪失時の後悔を山田に気づき&救ってもらったと思いこんでる。なので佐田岡との浮気は「あと一手」として最適解だった。またその佐田岡との一夜が(テクニック的な意味でも)忘れられず、江崎とうまくいかない理由の半分はそこにある。←この二点は佐田岡も気づいていない、佐田岡にとってセックスそのものはそれ程重要な事ではないから。
 ので、思い出補正の山田とイタして失敗をもう一度上書きしたかったのが同窓会の夜の動機です。
 というような梨花視点の2008年を書きたいけど、高校野球でもよくわからなくて苦労したのに大学女子野球なんてちんぷんかんぷんなので書かない(からここに書いちゃう)。わかんないことを調べずに書きはじめちゃダメだな〜。


◆ボツネタのこと
◇最初の案では、梨花と佐田岡が一発で出来てしまい…という設定だった。
 ただこれだと山田に別れを切り出す理由には十分だけど、キャラの性格上今度は江崎とも付き合わないだろうし、佐田岡も妊娠までさせてケロッとしてたらただのサイコパスクソ野郎になっちゃうじゃん。と思ってやめた。
 でもこれがたとえばドラマや漫画なんかのビジュアル物なら、よりドラマティックでより残酷で賛否両論になるであろう最初の案でいくと思う。
◇三好の離婚の原因はDV→出奔の予定だったけど(だから同窓会でやたら暴力的)、不必要に脇キャラを不幸にする必要もあるまいと思ってやめた。
◇ゲームでは最終章の佐田岡の相手は森先生ではなく、ポッと出の新キャラだった。山田似の同僚と付き合っていて、山田が君ワイと顔似てるやんけぇと気づくというね。我ながらキメェなと思って森先生に再登場いただきました。ちなみにゲームでの先生は隠れゲイで、佐田岡の恋心に唯一勘付くだけのキャラだった。


◆サイドストーリーのこと
◇勢いで書いた部分も多いので、全体を通してブラッシュアップしたい。誤字脱字あればご指摘ください!
◇近いうちに「森先生視点の話」と「山田佐田岡の中学生キャッキャウフフ編」、「佐田岡と森のなれそめ」の腐った女子向け18禁書き下ろしでも書きたいなと。思っております。
 カクヨムで出せない18禁のほうは完成次第ピクシブに掲載するので、耐性あったらぜひ読んでみてください(https://www.pixiv.net/users/9048850)。BLが無理な方は、佐田岡は本命とはとうとう結ばれなかったけれど、言えないと思い込んでいた「本当のことを言える相手」を見つけて、ベストではなくてもベターな人生を歩んでいると思ってください。→書いて無事完結しました!(11/14)
◇あと一番ゲスいのは森先生。


おしまい!

追記:ああ! しまった! 更新してから気がついたけど、これ最終話を分割して全18回にしたほうが綺麗だったよね、18歳とかけて。詰めが甘い〜〜〜😭

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