たしか何年も前に読んだ丸谷才一のエッセイだったと思うけれど、
「シェフのおすすめメニュー」「桃のシロップ漬けアイスクリーム添え」だののメニュー名に「レトリックがない」となげいていて(うろ覚え)
なるほどそうだよなぁと思ったわけですが、その後故人が危惧したように
「辛そうで辛くない少し辛いラー油」を筆頭に、
「ダークチョコレートのオレ」だの
「焦がしにんにくのマー油と葱油が香るザ・チャーハン」だのと
直接的な長ったらしい商品名が蔓延っていき、
いまや世の中が「三つ星レストランで三年間修行したシェフの俺が作ったおすすめデザートが美味すぎる件〜捥ぎたて真っピンクの桃にとろふわ真っ白アイスクリームが乗っちゃって???〜」ってなところまでエスカレートしていると知ったら
なげくのやめてクッソ笑うと思うわ。
思い通りにならない世の中はいとたのし。